デスクリサーチをベースとした市場のトレンド分析を元に、サービス / プロダクトの改善・開発を行います。未来の生活者や市場動向を事業に活用したいクライアント様向けのパッケージとなります。
SEEDERアナリスト 波多野さんインタビュー
SEEDERは、先進的な生活者「トライブ」の価値観を活用し、企業の新商品開発やマーケティング戦略立案をサポートする会社です。今回は、学生時代からインターンとして活躍し、現在はアナリストとして活躍する波多野さんにお話を伺いました。
マーケティングサークルの延長線上でインターンを経験
――波多野さん、まずはSEEDERでのインターン経験についてお聞かせください。
波多野:はい。私がSEEDERでインターンを始めたのは2019年、大学1年生の時でした。当時、大学で商学部に所属しながら、マーケティング研究会というサークルに入っていました。そのサークルでは、ビジネスコンテストに参加したり、マーケティングの勉強をしたりしていて、周りにはすでにインターンを始めている先輩も多かったんです。
――なぜSEEDERを選んだのですか?
波多野:募集文面に「トライブ」という言葉があったことと、定性調査を行うという点に惹かれました。当時から、単純にデータを使う定量調査よりも、人の話を直接聞いて心理を紐解いていく定性調査に興味があったんです。SEEDERの仕事内容が、自分の興味と合致していると感じました。
社員になって変わったこと:「ゴールを作る立場」に
――インターンから社員になって、どのような変化がありましたか?
波多野:最も大きな変化は、ゴールを与えられる立場から、ゴールを作る立場になったことですね。インターン時代は、主に裏方として作業やお手伝いをしていました。しかし社員になってからは、直接クライアントとやり取りをし、課題をヒアリングし、それに対してトライブをどう活用していくかを考えるようになりました。
例えば、リサーチや分析、レポート作成だけでなく、そこから商品開発やサービス開発にどうつなげていくか、ワークショップをどう活用していくかまで考えるようになりました。つまり、プロジェクト全体を俯瞰して、Sell & Deliveryできることが求められるようになったんです。
学生時代の学びが身を結ぶ
――学生時代の経験は、現在の仕事に活かされていますか?
波多野:はい、非常に活かされています。特に、商学部で学んだマーケティングの基礎知識、例えば4PやAIDMAといった基本的なフレームワークが、実務の中で改めてその重要性を実感しています。
大学では座学が中心で、実際にビジネスに活用するところまでは経験できませんでした。しかし、SEEDERでの業務を通じて、これらの基礎知識がより深く身についてきたと感じています。現場で仕事をこなしていく中で、俯瞰的な視点を持ち、適切なフレームワークを選択して検討を進めることの重要性を学びました。
SEEDERのアナリスト業務について
――具体的にどのような業務を担当されていますか?
波多野:主に2つの業務があります。
1つ目は、新商品開発のプロジェクトです。企業の持つ技術やリソースと、SEEDERが持つトライブの情報を組み合わせて、どのようなターゲットに、どのようなコンセプトの商品を提案するかを一緒に考えます。
2つ目は、SEEDERの持つトライブや未来洞察のスキル、ノウハウを企業に提供し、ワークショップを行うことです。例えば、企業が目指すべきターゲット像を具体化したり、新たなビジネスチャンスを探ったりします。
――その中で、楽しいと感じる点や難しいと感じる点はありますか?
波多野:楽しいと感じるのは、トライブの情報を活用した時のクライアントの反応です。「面白い」という反応をいただけることが多く、トライブの有用性を改めて実感できます。
一方で難しいと感じるのは、トライブの情報を具体的にどう活用すればいいのか、というクライアントの疑問に応えることです。また、未来洞察を行う際に、クライアントが発想を飛躍させることに苦労されることもあります。こうした課題を解消し、より良いアウトプットを出していくことが、アナリストとしての腕の見せどころだと感じています。
トライブの価値観とその活用
――トライブの価値観について、波多野さんの考えを聞かせてください。
波多野:トライブは「3〜5年後の未来のニーズや課題を先取りしている生活者」と定義されています。過去のレポートを見返すと、すでに実現している価値観もあれば、まだ先進的だと感じる価値観もあります。
重要なのは、トライブの価値観を固定的なものとして捉えるのではなく、業種やクライアントに合わせて独自に解釈し、発展させていくことだと考えています。トライブの価値観や行動は、イノベーティブな発想をするための重要な定性的ファクトとして機能します。
――トライブの価値観を活用することで、どのようなことが可能になりますか?
波多野:トライブの価値観を活用することで、「強制的にインスピレーションを受け取る」ことができます。定量調査や顕在化しているニーズだけでは見えてこない、新しい視点や可能性を提供してくれるんです。
例えば、「本当にこんな人がいるのか?」と思うような特徴的な行動や価値観に触れることで、「実は我が社の商品でもこういった人に売り込めるかもしれない」「このターゲットならこういうコミュニケーション方法が効果的かもしれない」といったアイデアが生まれます。つまり、発想の幅を大きく広げることができるのです。
今後の展望:アルファ世代のインサイト分析
――最後に、今後チャレンジしたい仕事について教えてください。
波多野:2つあります。
1つ目は、美容やエンターテインメント業界でのトライブ活用です。現在は飲料や食品関連の企業との仕事が多いのですが、他の業界でもトライブの価値観は十分に活用できると考えています。
2つ目は、アルファ世代(2010年以降に生まれた世代)のリサーチです。現在、Z世代(1990年代中盤から2000年代終わりまでに生まれた世代)についてはかなり研究が進んできました。そのため、次はアルファ世代に注目しています。
ただし、アルファ世代はまだ上でも中学3年生くらいで、購買力も限られていますし、インタビューをしても自分の考えを言語化するのが難しい面もあります。それでも、アルファ世代本人から直接話を聞くリサーチを継続していきたいと考えています。彼らが消費の中心となる未来に向けて、今から準備を進めていく必要があるからです。
まとめ
波多野さんは、SEEDERのユニークな強みである先進的な生活者”トライブ”の価値観を活用し、クライアント企業に新しいインスピレーションを提供することにやりがいを感じて価値を提供しています。
また、波多野さん自身の成長ストーリーも印象的でした。サークルおよびゼミの影響もあり大学1年生からSEEDERでインターンを始め、学びを実践に活かしながら、現在はプロのアナリストとして活躍しています。そして今後は、次世代を担うアルファ世代の研究にも意欲を見せています。
SEEDERの「トライブ」を活用したアプローチは、急速に変化する市場環境の中で、企業が新たな機会を見出し、革新的な商品やサービスを生み出すための有効なツールとなります。今後の展開に注目ください。