Z世代のマーケティング成功事例11選!戦略立案のポイントもご紹介

今後の消費を担う世代として、1990年後半から2010年代半ばに生まれた「Z世代」に向けた新規事業の開発に注目が集まっています。(参考:Z世代の消費傾向とは?

しかしながら、Z世代の興味関心・トレンドは他の世代に比べると非常に移り変わりが激しく、新たなアイデアを思いつくことができても、その事業を軌道に乗せる前に別のトレンドが急上昇している可能性があります。

また、従来どおりのマーケティング方法では、Z世代にうまく訴求できず、良質なコンテンツが肝心の消費者まで届かないケースも少なくありません。

そこで本記事では、Z世代の定義や価値観に加え、Z世代向けのマーケティングを成功させるためのポイント3つや、企業の成功事例をご紹介します。「どのSNSを使えばよいのかわからない」「Z世代向けにどのような戦略を立てようか迷っている」という新規事業の責任者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

Z世代向けマーケティングに注力したほうがよい理由

Z世代とは、主に1995年頃~2010年頃に生まれた人々を指す言葉です。日本では、いわゆる「さとり世代」や「脱ゆとり世代」と呼ばれる若者が該当します。

すでにこのZ世代は世界人口の3割以上を占めており、今後の消費を担う存在になっていくと想定されています。そのため、新規事業開発・新商品開発の分野においても、Z世代をターゲットにしたイノベーションに注力する企業が増加中です。

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デジタルネイティブなZ世代の特徴

以前の記事でも紹介したように、Z世代は「デジタルネイティブ」で、多くの若者がさまざまなSNSやインターネットを使いこなしています。

1つ上の世代であるY世代も、ICT機器を駆使して、情報をリサーチする力に長けていますが、Z世代のほうがTikTok」や「YouTube」などのSNSを利用している割合が高く、オンライン上の交流に共感や承認を重視する傾向がみられます。(参考:総務省|令和3年版 情報通信白書|デジタル利用環境・サービス等の活用状況

また、消費に関しても、Z世代は以下のような行動をとる傾向がみられます。

  1. インターネットを中心に情報を収集する
  2. コストパフォーマンスや効率性を気にする
  3. 体験や共感を重視する

Z世代の消費傾向について詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。

Z世代の消費傾向とは? SNSネイティブに向けたマーケティングのコツを解説【事例あり】

Z世代向けマーケティングを成功させるためのポイント3つ

ここからは、Z世代向けのマーケティングを検討している方におすすめのポイントを、以下の3つに分けてご紹介します。

ポイント1. Z世代の「お金の使いどころ」を把握する

ポイント2. Z世代のSNSごとの使い分け方を知っておく

ポイント3. Z世代の特徴を捉えたマーケティング戦略を練る

Z世代への訴求に成功すれば、SNSのフォロワー数が増加したり、ECの会員登録数がアップしたり、世間へのブランドや商品の認知度が大きく向上することになります。さらに、それがトレンドとなって拡散されることで、消費の促進につながっていくため、ぜひポイントをおさえたマーケティング戦略を検討してみてください。

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ポイント1. Z世代の「お金の使いどころ」を把握する

1つ目は、Z世代が「いま、いったい何にお金を使っているのか」を把握することです。例えば、近年は以下のような商品・サービスの需要が若者の間で伸びています。

  1. インドアで楽しめる趣味への投資
  2. 推し活への課金
  3. 定額制の動画配信サービスへの課金

このような消費動向を掘り下げていくと、「どのようなものがいま、Z世代が何を求めているのか」を発想するヒントを得ることが可能です。

なお、SEEDERではZ世代のトレンドや思考・価値観などを独自の調査で深掘りしたレポートをご用意しています。「Z世代の価値観をもっと詳しく知りたい」「新規事業でZ世代にアプローチしたい」というマーケティング担当の方は、ぜひご活用ください。

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ポイント2. Z世代のSNSごとの使い分け方を知っておく

2つ目は、SNSごとの特徴やZ世代との親和性を知ることです。

インターネットの普及以降、企業のマーケティング活動にはマス広告だけでなく、SNSWeb広告、ECサイトがなくてはならないものになりました。現在、Z世代向けの商品・サービスに限らず、SNSをビジネスに活用している企業がほとんどですが、ただ開設・運用するだけでは、情報を取捨選択する能力の高いZ世代に届けるのは困難です。

まずはSNSを目的にあわせて上手に使い分けているZ世代の特性を把握しましょう。以下に、Z世代による主なSNSの使い分け方をまとめました。

Z世代によるSNSの使い分け】

名称 利用目的 Z世代の行動
TikTok トレンド探索 暇つぶしにネタや面白系の動画を見ている

インフルエンサーを見るツールとしても活用

YouTube 趣味、学習 アーティストの曲や動画を見ている

暇つぶしのほか、学習教材としても活用

Twitter 趣味、推し活 自分の興味のある事柄を探している

暇つぶしやトレンドリサーチにも活用

Instagram 近況報告、自己表現 オフライン寄りの交流にDM機能を活用
LINE 近況報告 コミュニケーション、近況報告などに利用

このようなZ世代のSNS活用法を知った上で、ブランド・商品の世界観に最も合うSNSアカウントを選択し、コンテンツを制作してみてください。

参考:
総務省情報通信政策研究所|令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(令和3年8月)
YouTubeの利用実態に関する調査 |クロス・マーケティング
Z世代の消費傾向とは? SNSネイティブに向けたマーケティングのコツを解説【事例あり】
Z世代のSNSによる消費行動に関する意識調査 | SHIBUYA109 lab.
Z世代のSNSの使い方|彼らはどのような情報をみている?マーケティング施策に役立つヒントを探る | 知識|ノベルティ・オリジナルグッズの紹介やトレンド情報を発信中|株式会社トランス

ポイント3. Z世代の特徴を捉えたマーケティング戦略を練る

ポイント12をふまえた上で、Z世代が「誰か」と共有して楽しみたくなるようなコンテンツを考えること3つ目のポイントになります。そして、それを最適なプラットフォームで、ぴったりのタイミングを狙って開始することも重要です。

以下は、Z世代向けのマーケティング戦略の要素です。この8つの要素をおさえて実行すれば、新規事業の成功率を高められるでしょう。(参考:ビジネスの成果を向上するサービスデザインの考え方とフレームワーク【まとめ】

  1. トレンドをおさえ、オリジナリティもあるコンテンツ
  2. オンライン上だけでなく、リアルも絡めた接点づくり
  3. 多様なチャネルによるアプローチ
  4. 選びやすく、買いやすい導線設計
  5. 情報の信頼性・安全性の担保
  6. インフルエンサーの活用
  7. 共感し、クチコミを投稿したくなる体験の提供
  8. 双方向コミュニケーションの実現

これらの要素を含めずに立てたマーケティング戦略の場合、「トレンドをおさえているのにバズらなかった」「せっかく閲覧数は伸びたのに、購入前に離脱されてしまった」という事態が起こりかねません。

ご紹介したポイントはどれもマーケティングの成否に関わるものです。マーケティング戦略の実行前にポイントをおさえられているかどうか、確認することをおすすめします。

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Z世代向けマーケティングの成功事例11

前章でご紹介した3つのポイントをおさえ、顧客やファンの獲得に成功している企業やブランドの事例をカテゴリ別にご紹介します。

<食品・飲料>

■事例1. カンロ:お菓子を使ったアレンジレシピやダンス動画等で認知度アップ【Webコンテンツ・TikTok・リアル店舗】

https://www.instagram.com/p/CquxyBehNAn/ https://www.tiktok.com/music/%E3%83%9E%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E2%99%AA-7019225279692277761

老舗菓子メーカーのカンロでは、近年Z世代向けの商品開発に注力しています。単に若者に受けるものを狙うのではなく、自社の主力商品である飴を「コミュニケーションツール」として再定義。母の日にぴったりのギフト向け商品をオンラインショップで紹介しています。

また、カラフルなグミのデザインを活かしたアレンジレシピを公開しているほか、TikTokに最適なダンス動画も公開し、若者間の認知度アップに成功しています。さらに、リアルでの体験として、ポップアップストアでは新商品を使ったASMRの体験ブースを開設予定です。

参考:
マロッシュマロマロマロッシュ♪ | TikTok
オンラインショップ|Kanro POCKeT
「Kanro POCKeT」 POPUPストア期間限定オープンのお知らせ|Kanro POCKeT
Z世代に届け、「あめ」の魅力 カンロが若者向けに実施している「飴の原体験」プロジェクトとは(ITmedia ビジネスオンライン)|Yahoo!ニュース

事例2. 湖池屋:LINE上で遊べるオリジナルゲームでECサイトの集客に成功【オンラインゲーム】

https://segaxd.co.jp/news/newsrelease/e586c8bf56547c9365e383fca699c475954f07f7.html

総合スナックメーカーの湖池屋では、Z世代向け商品を開発するとともに、自社メディアをおおいに活用した情報発信を行っています。

同社はECサイトの売上を拡大する施策として、2023年1月にLINE上でプレイできるオリジナルの箱庭型シミュレーションゲーム「湖池屋FARM 大豊作!」をリリースしました。ゲーム内には人気商品のキャラクターが登場するなど、ゲームをブランドの世界観を伝え、ファンを生み出す手段として活用しています。

このゲームは実証実験のため、7月末に一度終了する予定です。しかしながら、すでにLINE公式アカウントの友だち登録数の30パーセント向上に成功し、ECサイトへの集客数も目標値を達成したと発表しています。

参考:
ECサイトのMAUが20%増! 箱庭型ゲーム「湖池屋FARM 大豊作!」開発の裏側を聞いた (1/3):MarkeZine(マーケジン)
【有料記事】ものづくり軽視のマーケターに未来なし 湖池屋・佐藤社長の流儀:日経クロストレンド
湖池屋「スコーン」名作CMやブランド価値を現代的にアップデート | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議

事例3The Label Fruit:色と名入れのカスタムとおしゃれな内装で訴求【リアル店舗】

https://www.instagram.com/p/CYP6p2ltfh5/

名入れできるフルーツオレ専門店として人気の「The Label Fruit」では、モバイルオーダーでボトルのラベルやフルーツオレの味の注文から、決済まで可能です。注文された商品は手作りされ、スマートロッカーを用いて顧客に受け渡されます。

SNSを通じ、フルーツオレの色や名入れのサービスが推し活のアイテムとしてZ世代を中心に広まり、顧客の獲得に成功しています。

参考:
【公式】The Label Fruit(ラベルフルーツ)| 食べるフルーツオレ専門店
The Label Fruit(ラベルフルーツ)(@thelabelfruit) |Instagram
“Z世代”の消費動向を捉えたフルーツオレ専門店「The Label Fruit(ラベルフルーツ)」が東京・原宿に登場|ショーケースギグのプレスリリース|PR TIMES

<日用消費財>

事例4.ロート製薬:公式VTuberHow to動画でZ世代の視聴者を獲得【TikTok

https://www.tiktok.com/@rohtotiktok  https://www.tiktok.com/@rohtotiktok/video/7169845217716079874

ヘルス&ビューティー事業を展開しているロート製薬では、顧客へのデプスインタビューを行い、新商品・新サービスの開発を推進しています。同社は、公式Vtuber「根羽清ココロ」を公開し、現在「歌ってみた」などの動画をYouTubeTikTokで配信しています。

また、TikTokでは人気の楽曲にのせて、学生向けに「スクールメイク」やスキンケア商品を紹介する動画も数多く投稿しており、顧客からの質問のコメントにも随時返信しています。双方向のコミュニケーションや積極的なショート動画配信により、同社のTikTok公式アカウントのフォロワー数は、8200フォロワーを超えました(2023年4月20日時点)。

一方、Webサイトはシンプルなデザインで視認性・検索性を高めており、媒体ごとに適したデザインで設計されています。

参考:
ロート製薬【公式】 (@rohtotiktok) オフィシャル| TikTok
ロート製薬|商品情報サイト
【有料】ロート製薬で確立した西口流「N=1」マーケ 失敗糧にヒット連発|日経クロストレンド

事例5. パイロットコーポレーション|手書き文字にコンプレックスを持つ若者向けコンテンツをWeb上で公開【Webコンテンツ】

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000119349.html

文具メーカーのパイロットコーポレーションでは、Z世代に関する調査から見えた、若者が自分の手書き文字にコンプレックスを感じているという状況をふまえ、「じぶんの字がキライな人のための文具店」を期間限定の特設サイトとして開設しました(現在は閉鎖)。

同社はそのサイト内で、AIを活用した「シナジーチップAI筆跡診断」を実施。現在は、公式サイトにて「かく楽しみ」をコンセプトに文具の使い方やお悩み相談などのコンテンツを数多く公開しています。

その結果、同社独自の「シナジーチップ」を採用したボールペンが市場に定着し、営業利益の回復を後押ししています。

参考:
「かく楽しみ」がきっと見つかる! かく、がスキ|PILOT
営業の概況 | 株式会社パイロットコーポレーション
【文字を書くことに関する調査】Z世代の半数近くが自分の字がキライ!?文字を書く頻度が低い人ほど、自分の文字が嫌いな傾向に。|株式会社パイロットコーポレーションのプレスリリース (PR Times)

事例6. SEA BREEZE|複数のSNSに学生生活や学校行事にあわせたコンテンツを投稿Twitter・YouTube

デオドラントブランド「SEA BREEZE(シーブリーズ)」は、もともとマリンスポーツを楽しむ男性をターゲットとした商品を展開していました。しかし、実際には高校生によく使われていることをふまえ、2007年にターゲットを中高生に変更。さらに2022年には「DeoWater(デオ&ウォーター)」のパッケージを一新しました。

現在は「推し活」向けのアイテムとして、ボトルのカラー展開や文字入れ可能な特徴を前面に出しながら、Instagram、TwitterYouTubeなどの複数のプラットフォームを活用したマーケティングを行っています。

参考:
SEA BREEZE(シーブリーズ)(@seabreeze_1902)さん|Twitter
デオ&ウォーター|商品情報|SEA BREEZE
シーブリーズアンバサダー|SEA BREEZE
シーブリーズ(@seabreeze__official)|Instagram

<美容>

事例7. 美容・コスメレビュー・メディア|LIPSTikTok広告・YouTube

https://lipscosme.com/

https://www.youtube.com/@lipsofficial5150

美容・コスメのレビューを掲載しているメディア「LIPS」では、情報感度の高いZ世代を攻略するため、SNS広告を他の投稿になじませるマーケティング施策を実施しています。

具体的には、TikTok上で広告ではない投稿の合間に自動再生されても、ユーザーが違和感を抱かないように、AIの合成音声を使用した広告を制作・配信しました。その結果、同メディアは目標としていた新規ユーザー獲得の改善に成功しています。

また、YouTubeの公式チャンネル内の動画にも、AI合成音声が積極的に活用されているので、ぜひ参考にしてみてください。

参考:
LIPS|コスメ・美容・メイクの通販・口コミアプリ|リップス
LIPS official|YouTube
AI合成音声×TikTok広告でCPI30%改善 LIPSに学ぶ、継続利用ユーザーの新規獲得戦略|MarkeZine

事例8. オウンドメディア|MERY【オウンドメディア・InstagramTikTok

https://www.instagram.com/mery.jp/   https://www.instagram.com/mery_giftsalon/

10代後半から20代半ばまでの世代の読者に向けたオウンドメディア「MERY」では、読者の変化にあわせ、2021年にアプリのサービスを終了し、メディアを刷新。2023年4月にはWebサイトをZ世代向けにリニューアルし、テキスト中心だったWebコンテンツを動画へとシフトしています。

同メディアでは現在、Instagramのページを5つ開設しているほか、PinterestTwitterTikTokFacebookも運用しており、それぞれテーマを変えて、最新のトレンド情報やHow toを伝えるショート動画などを数多く投稿しています。

メインとなるInstagramのアカウント(@mery.jp)のフォロワー数は42.6万人、ギフトに特化したアカウント(@merry_giftsalon)のフォロワー数は11万人。さらにTikTokのフォロワー数は13万人を超えているほか、長期運用中の「うぬぼれちゃん」というアカウントでも6万人以上のフォロワーを獲得しています(2023423日時点)。

SNS上で非常に多くのファンの獲得に成功している同社では、そのようなビジネスモデルを活かし、SNS運用、D2Cプロダクトの制作販売、Z世代のインサイトの研究といったB2Bビジネスも展開しています。

参考:
MERYのウェブサイトが“Z世代を主役にしたメディア”にリニューアルします。新キービジュアルも公開!|MERY
MERY(@mery.jp) |Instagram
MERY GIFT(@mery_giftsalon)|Instagram
MERY (@mery.jp) オフィシャル| TikTok
うぬぼれちゃん (@nem.sheep) | TikTok
「コンテンツファーストではない」メディアは成立するか?:MERY のポストメディア戦略 | DIGIDAY[日本版]

<アパレル>

事例9. FABRIC TOKYO|完全予約制でオーダーしやすい空間を提供【ECサイト・リアル店舗】

https://www.instagram.com/p/CocIVOKSMA0/

オーダースーツを提供している「FABRIC TOKYO」では、ECサイト上の会員登録の導線をスムーズにすることで、若い世代の来訪を促進しました。また、リアル店舗での採寸は30分程度で、あとはオンライン上から簡単に注文できるようにしており、タイムパフォーマンスの面でも若者の価値観に合致するサービスとなっています。

コロナ禍には、高価格なスーツに加え、カジュアルアパレルや女性向け商品のオーダーメイドのサービスを展開。その結果、スーツを着る機会の減少による業績への影響をおさえ、20221月には前年同月よりも2倍近い成長を達成しました。

さらに、同社では採寸のための来店をデートに、オーダースーツを贈り物にできる「ギフトカード」を用意し、若い世代のカップルからも好評を得ています。

参考:
オーダースーツはFABRIC TOKYO |1着3万円台〜、高品質なオーダー体験
年商10億円のオーダースーツD2Cブランド「FABRIC TOKYO」の成長の裏側。リアルにお店をだしたら「客単価2倍」になった理由、接客時間の短い人がリピーターになる理由|アプリマーケティング研究所
「Z世代・ミレニアル世代が共感」FABRIC TOKYOのオーダーメイドが逆境でも絶好調な3つの理由 | Business Insider Japan

事例10. アパレル|「WEGO」ヒットする商品が0件のキーワードから若者のトレンドを分析【EC

https://wego.jp/

1994年に大阪アメリカ村の古着ショップとしてスタートした「WEGO」では、トレンドを取り入れた洋服や、アニメ・漫画とのコラボグッズなど、Z世代向けの商品を数多くリリースしています。

同社ではECサイトの検索エンジンの最適化に注力した結果、費用対効果(ROI)の大幅改善に成功。表記ゆれの軽減だけでなく、検索キーワードの分析にも時間をかけ、若い世代の人ほど「欲しいかどうか」「自分に似合うか」を重視していることを把握し、さまざまな施策に取り組んだ効果があらわれています。

また、店舗やスタッフのInstagramアカウント内には、スタッフのスナップ写真やライブ動画なども投稿されています。これらにより、顧客とスタッフ間のコミュニケーションの活性化にも成功しています。

参考:
WEGO ウィゴー(@wego_official) | Instagram
WEGO柏マルイ店 古着(@wego_kashiwa) | Instagram
コーポレートアイデンティティ|WEGO ONLINE STORE
『WEGO』/株式会社ウィゴーへのWebマーケティング導入事例|Repro
検索の改善でCVR2倍増 ウィゴーが目指すコミュニケーションを生むECサイトとは |ECzine

<エンタメ・レジャー>

事例11. サンリオ:仮想テーマパークを開業し、エンタメの可能性を拡張【メタバース】

https://youtu.be/vzehd7gK7qo

ハローキティを始めとしたキャラクターを数多く生み出している「サンリオ」は、コロナ禍以降、SNSや動画配信を活用したマーケティング施策に注力しています。2022年には、メタバース上で体験できるバーチャルイベントを初開催。さらに、2023113日から131日まで、スマートフォン向けメタバース「REALITY」内で開催した第2回イベントでは、来場者数延べ120万人を達成するなど、多数の集客に成功しています。

また、同イベントでは無料で観覧できるパレードとして「Musical Treasure Hunt」も開催されました。この動画は、引き続き同社のYouTubeにて再生可能です。その他にも、若者に人気の歌手とのコラボソングや、リアル社員Vtuverによるグッズの解説動画なども数多く投稿し、動画を好む若者に対しアプローチしています。

参考:
SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland 公式サイト
【#サンリオVfes】サンリオバーチャルパレード「Musical Treasure Hunt」【SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland】|YouTube
サンリオが若者を中心に人気な理由|YOUTH Clip

オリジナルの調査レポートを用いて「Z世代」向けマーケティングを支援する「JINCHI

まとめ

今回はZ世代向けマーケティングのポイントや、企業・ブランドの成功事例をご紹介しました。今後、国内外で消費の主体を担っていく存在となる若者の価値観やSNSの使い分け方を把握し、適切な戦略を実行できれば、多くの顧客の獲得が可能になります。自社のマーケティングの効果を最大化するためにも、本記事の内容をぜひ参考にしてみてください。

ただし、Z世代はトレンドの移り変わりが激しい世代でもあります。そのため、常に最新のトレンドや価値観の変化を追うことも必要です。SEEDERでは、そのようなZ世代に関する調査レポートも配信しています。社内でZ世代向けの新事業開発を検討している方や、Z世代に関するメンバー間の認識を統一したいという方は、そちらもぜひご活用ください。

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なお、SEEDERではそのような企業のアイデア発想や事業分析の支援も行っています。こちらからまずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

吉冨 剛典 吉冨 剛典 マーケティング担当

大手企業・ベンチャー企業にて事業開発を10年以上経験。
市場動向に即したビジネススキームの構築に強み。
PoC推進支援、事業計画の策定など新サービス / ブランドの立ち上げ実績多数。

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