Z世代の消費傾向とは? SNSネイティブに向けたマーケティングのコツを解説【事例あり】

1995年頃~2010年頃に誕生した人々は「Z世代」と呼ばれており、それまでの世代とは異なる生活習慣や消費の傾向を持つといわれています。これには、デジタル機器に囲まれ、SNSで他者とつながり、ECでの商品購入が当然という環境にいたことが影響しています。そして、このZ世代は少子高齢化が進む日本においても、今後、消費者の主体となっていく見込みです。

しかし、Z世代の価値観や思考を把握しないまま、従来どおりのマーケティングを実施しても、思うような成果を得られる可能性は高くありません。そこで本記事では、企業の事業担当者がZ世代の価値観や鼓動習慣への理解を深め、より最適なマーケティングを行えるように、Z世代の特徴や、これまで消費者の主体であったX世代・Y世代との違いなどを解説していきます。

また、記事の後半では、Z世代にアプローチする際のポイント4つを、企業の成功事例とともに紹介しています。「自社でもZ世代をターゲットとした新規事業を開発したい」「既存の商品・サービスを若者向けにリニューアルしたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

なお、いま新規事業を検討しており「5年後、10年後の生活様式の変化や消費の動向をより解像度高く捉えたい」という場合は、下記の「未来洞察」のサービスの活用もおすすめです。

FUTURE WAVEを活用したトレンドリサーチ支援 – JINCHI (seedata.jp)

新規事業の立ち上げを成功させたい方へ
FUTURE WAVEを活用したトレンドリサーチ支援
FUTURE WAVEを活用したトレンドリサーチ支援

デスクリサーチをベースとした市場のトレンド分析を元に、サービス / プロダクトの改善・開発を行います。未来の生活者や市場動向を事業に活用したいクライアント様向けのパッケージとなります。

ご支援プラン紹介ページを見る
目次

Z世代とは?

「Z世代」とは、1995年頃から2010年頃に誕生した人々を指す言葉です。米国で唱えられた「Generation X(X世代)」という言葉をもとに、その後に続く世代として「Y世代」「Z世代」という言葉が生まれました。

このZ世代の大きな特徴として、ITテクノロジーの活用に抵抗がなく、各種デジタル機器の操作に慣れていることが挙げられます。知りたいことはSNSなどで検索するため、情報の取捨選択も得意です。しかしその分、消費には慎重で、これまでのようなマスメディアを使った広告や、Web広告でのアプローチでは、購入に至らない傾向も高い世代といえます。

1995年~2010年頃に誕生したZ世代が、消費者の主体になる

幼少期からデジタル機器やソーシャルメディアに親しんできた人が多いZ世代は、今後、世界人口の25%以上の収入を占めることになる見込みです。なお、現在、国内の15歳から29歳までの人口は約1,814万人で、総人口の約15%となっています。(参照元:人口推計の結果の概要|統計局ホームページ

つまり、日本においてはZ世代と呼ばれる人口は全体の5分の1に満たず、数としては決して多いとはいえない状況です。そのため、これまでX世代・Y世代を消費のターゲットにしてきた企業の中には、このZ世代に向けたマーケティングをあまり行っていない、あるいは未経験だというところも少なくありません。

しかしながら、少子高齢化が着実に進んでいく日本では、将来的にZ世代の影響力・購買力が増してくることは明らかです。このような背景を踏まえ、Z世代向けの商品開発を行う企業が増えてきました。

実際に、米国ではこの世代の社会的な活動への参加が活発化しており、マーケティングの対象としても非常に注目されています。今後、企業が5年・10年先を見据えた経営を行っていく場合、Z世代を意識した事業を推進するメリットは大きいでしょう。

レディメイドレポートを活用したZ世代の価値観のインプット支援 – JINCHI (seedata.jp)

バブル崩壊後に生まれた、ネットリテラシーの高い世代

Z世代の特徴を解説する前に、Z世代が誕生した時代背景を振り返ってみましょう。インターネット技術が浸透し始めた頃に生まれたZ世代は、その多くが幼少期からデジタル機器に囲まれ、それらを使いこなして生きてきました。

そのため、これまでの世代と比べると、ITリテラシーが高く、インターネットやAIVRといった新しい技術への抵抗感が低い傾向があります。そのため、Z世代は「デジタルネイティブ世代」とも呼ばれています。

さらに、バブル経済の崩壊直後、1983年~1995年前後に生まれた人を「ミレニアル世代」と呼ぶことから、それ以降の世代として「ポストミレニアル世代」と呼ばれることもあります。前者には理想主義の傾向があるといわれる一方で、リーマンショックなどによる経済的な不況の中で生まれ育ってきた後者のZ世代は、現実主義者だと評される傾向があります。

例えば、企業がリリースした商品のメリットを伝えられても、Z世代は鵜呑みにしません。商品がレビューされている動画やその動画につけられた一般的な消費者のコメントを確認し、さらに他の商品とも比較した上でようやく購入に至ります。

多様性を重んじる社会の中で、サステナブルな商品・サービスを消費する世代

昨今は、世界的に「SDGs」「カーボンニュートラル」のような環境保全を推奨する取り組みや、「ジェンダーレス」「SOGI」のような多様性や自分らしさを重んじる価値観が広がってきています。

そして、企業がリリースする商品・サービスにおいても、そのような概念を取り入れたものが増えてきました。Z世代の若者たちはそのようなモノを好意的に捉えている一方で、ブランドの戦略なども冷静に分析し、情報を比較しながら、選び取っています。

このようなZ世代の特徴や消費の傾向については、記事の後半で詳しく解説していきます。また、Z世代への理解をさらに深めたいという方は、下記にて最新の情報を公開しているため、ぜひ参考にしてみてください。

若者(Z世代・ミレニアル世代)の価値観や消費行動を把握することができるレポートはこちら▶【2023年最新版】Zsレポート(有料)

X世代・Y世代」や次世代「α世代」との違い

続いて、これまで消費者の主体とされてきた「X世代・Y世代」や、Z世代に続く「α世代」について解説していきます。

【世代ごとの区別】

誕生した年代 語源
X世代 1960年代前半~1980年頃 Generation X
Y世代 1980年~1995年頃 Generation Y
Z世代 1995年~2010年頃 Generation Z
α世代 2010年代前半~2020年代中盤 Generation α

X世代・Y世代は消費に積極的な世代だった

Z世代以前の世代である、X世代・Y世代に該当する人々の特徴として、「消費意欲が高い」「アクティブである」という点が挙げられます。これは、この世代が誕生した当時や身近にいる大人たちが生まれ育った時代が、高度経済成長期だったことが強く関係しています。

そのため、X世代・Y世代はモノの消費が活発で、企業側も商品のプロモーションにマスメディアなどを活用し、消費意欲を高めていました。また、近年はWeb広告やSNS広告、インフルエンサーを活用し、消費を後押ししてきました。

しかし今後、X世代・Y世代が後期高齢者になっていくと、多くの市場で消費者の主体ではなくなっていくでしょう。

ただ、ECでの購入が浸透し、X世代・Y世代に該当しているものの、従来とは消費傾向が変わってきた方もいます。また、マスメディア以外にもSNSなどでさまざまな情報に触れられるようになった結果、Z世代のような価値観を持つ方も増えてきました。つまり、令和以降はマーケティング戦略を考えるときに、世代の枠組みだけではターゲットを絞り込みづらくなってきたと言えます。

SEEDERデータベースを活用した特定カテゴリの生活者価値観洞察支援「JINCHI」

Z世代に続く、2010年以降生まれの「α世代」とは

Z世代に続き、近年マーケティングのターゲットとして注目されているのが、2010年より後に生まれた「α世代」の子どもたちです。Z世代との共通点としては、物心がつく頃からデジタル機器に囲まれていることが挙げられますが、α世代の場合は小学校などの授業にプログラミングや思考力・論理性を問う学習機会が設けられています。

また、α世代の親世代は、消費の対象がモノからコトに移行していったミレニアム世代にあたります。このミレニアム世代は、コロナ禍を経て、二拠点移住やデュアルライフ、自然と触れ合う時間などを通して、子どもに広い視野を持ってもらうことに熱心な世代です。

このような影響を受けることを踏まえると、α世代はZ世代と似た価値観を持ちつつも、消費の傾向や行動習慣・価値観は違ったものになるでしょう。

参考:Z世代の次は“アルファ世代”、インタビューから分析する4つ特徴…主語「私は」→「ウチら」への変化 | Business Insider Japan

Z世代にみられる、5つの特徴

Z世代はデジタル機器を日常的に扱い、SNSなどで情報を取捨選択しながら、実店舗とECの両方で商品やサービスを購入しています。実はそのような消費活動にも、Z世代ならではの「個人主義」「多様性の受容」「効率重視」といった価値観が現れています。

ここでは、Z世代の特徴5つに分け、それぞれ解説していきます。

  1. デジタルネイティブ(スマホネイティブ)
  2. SNSネイティブ(ソーシャルネイティブ)
  3. 個人主義
  4. 多面性を持っている
  5. 効率性を重視している

SEEDERデータベースを活用した特定カテゴリの生活者価値観洞察支援「JINCHI」

特徴1. デジタルネイティブ(スマホネイティブ)

Z世代の大きな特徴は「デジタルネイティブ」であるということです。学生時代からスマートフォンを所有し始める人が多いこの世代では、パソコンよりもスマートフォンを利用する割合が非常に高くなっています。

また、情報を収集する媒体は、マスメディアよりもインターネットが中心で、調べる際には1つのWebサイトの情報を鵜呑みにするのではなく、複数のWebサイトやクチコミ等を確認して調べることが習慣化しています。

このようなことを日常的に行ってきたZ世代は、他の世代よりもITリテラシーが高く、情報に対する警戒心やインターネットを使用する際の危機管理能力が高い傾向があります。

そのため、個人情報の登録にも慎重で、クーポンの配布などがあっても、登録する前に「安全なサイトかどうか」「運営元は安全か」「個人情報が非公開になることが明記されているか」といった根拠を確認しています。

ただ、調べた上で根拠が明らかになれば、一転して情報を大いに信頼する傾向もあります。例えば、話題のAIアバターを作成できるアプリ「SNOW」では、画像をアップロードする際の画面に「作成後はすぐさまデータは破棄され、他者に公開されることはない」という旨がわかりやすく記載されています。

特徴2. SNSネイティブ(ソーシャルネイティブ)

デジタルネイティブであるZ世代は「SNSネイティブ」かつ「ソーシャルネイティブ」でもあります。日常的にSNSを使用し、動画の配信や画像の投稿をみたり、自分でも投稿したりしています。また、政府の調査によれば、オンラインゲーム・ソーシャルゲームで遊ぶ時間が他の世代よりも著しく長いという結果も出ています。(参照元:「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」総務省情報通信政策研究所,2022年8月

注目すべき点は、各媒体を「みて楽しむ、遊んで楽しむ」という使い方だけではなく、友人や知人、家族との「連絡手段」として活用していることです。また、媒体ごとの特性もよく把握しており、限定公開や24時間で消える機能などを使って、111対多数のやり取りを柔軟に行っています。

参考:【Zsトレンド速報】#3 インフルエンサーコスメ戦国時代!? こだわりを強く感じたい若者のコスメ事情とは? – SEEDATA

特徴3. 個人主義

Z世代は前述のSNSやオンラインゲームなどを通じ、多数の人と気軽に交流する一方で、「自分は自分、他人は他人」という個人主義の感覚を持っています。つまり、人それぞれであることを理解し、互いを受容している世代だといえます。

このような個人主義の特徴はZ世代の行動にあらわれています。例えば、「推し活」では、自分の好きなものをとことん追求しながら、友人や他人の好きなものにも「いいね」をつけます。また、友人にプレゼントを渡す際にも、モノではなくその場で完結する体験を贈ったり、相手が自分でオーダーできるようなギフトを渡したりと、自分の趣味の押しつけになることを避ける傾向があります。

そして、自分自身のための消費についても、性別やブランド名で絞り込んでいくよりも、「自分が気に入るか、身につけて心地よいか」という視点で選び、購入後にはアレンジを加えることもあります。過去にはY2Kファッションなど、過去に流行したものの要素が感じられる商品の需要が高まったように、Z世代にとっては流行を追うよりも、自分で見つけることのほうが好まれています。(参考:【Zsトレンド速報】#1おしゃれや体力づくりは推しのため!?推し活を楽しむZ世代達の美容事情に迫る! – SEEDATA)

ただ、Z世代は個人主義でありつつもSNSなどで生活を他人に公開しているため、X世代・Y世代と比較すると、「承認欲求が高い」と評価されがちです。たしかに、他人に見られている感覚が強いものの、そのような行動で「自分らしさとは?」の追及を楽しんでいるともいえます。

下記のレポートには、若者のマクロトレンドや直近の消費行動などを把握できるレポートを掲載しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

若者(Z世代・ミレニアル世代)の価値観や消費行動を把握することができるZsレポート【有料】

特徴4. 多面性を持っている

Z世代はSNSネイティブであると説明しましたが、SNSにおいて、プラットフォームごとに顔を使い分けている傾向があります。この多面性もZ世代の大きな特徴です。

インフルエンサーのように、プロモーションのために使い分けている方もいますが、そのような活動を行っていない場合も、複数のアカウントを持ち、それぞれで異なる交友関係を築くなど、好きなことに没頭しやすい環境を自ら構築しています。(参考:【Zsトレンド速報】#4 3年目のコロナ禍、正直何してる? Z世代の暇つぶし事情に迫る! – SEEDATA

そのため、Z世代が消費する商品・サービスに関しても、時間や場所、交流する相手によって使い分けられる点があれば、アピールポイントとなります。

特徴5. 効率性を重視している

Z世代は自分の時間を大切にする一方で、相手の時間も有限だととらえ、時間を奪わないようにする意識が高い傾向があります。そのため、電話よりもチャットでやり取りすることが多く、短い文章やスタンプでコミュニケーションをはかります。

ただ、話したい内容はビデオ通話や直接会ったときに話しており、けっしてコミュニケーションが苦手というわけではありません。むしろ、他の世代以上に「友人・知人との時間を大切にする」という調査結果もあります。時間の浪費は嫌っても、自分の中で価値があると判断したものへの時間の投資は惜しまないこともZ世代の特徴といえるでしょう。

このような特徴をあらわす言葉として、よく耳にするのが「コスパよりタイパ」というものです。これはつまり、消費者が商品・サービスの購入時に価格よりも、購入した後にどれだけ作業時間を短縮できるか、他のことに使う時間を増やせるか、という点を重視するようになったということです。

例えば、飲食店での注文もメニューを開いて、口頭で伝えるシステムから、QRコードを読みとり、注文から決済までスマートフォンやタブレット上で完結するようになりましたが、このようなサービスをZ世代は日常的に利用しています。また、就職活動に関しても、チャットで担当者とのやり取りを行い、オンラインで面接を受けています。

つまり、これまでは市場での価格競争で有利に立っていた企業も、今後はその商品やサービスによって、消費者の効率性をどのくらい高められるか、空いた時間を生むことができるか、といった視点が求められることになります。

参考:【Zsトレンド速報】#2 紙の漫画はもうサヨナラ?Z世代で主流の縦読み漫画Webtoonとは!?Z世代の漫画事情に迫る! – SEEDATA

Z世代の消費にみられる傾向とニーズ

日本という国は、相対的に25歳以下の割合が低い国です。そのため、今はまだZ世代の消費支出額は多いとはいえません。しかし、今後はその世代の若者たちが働き始め、消費が着々と活発になっていくことが予想されます。

ここからは、Z世代が商品を購入したり、サービスを利用したりする際に重視する点や、Z世代が持つ消費ニーズについて解説していきます。

D2C・DNVBとは?特徴や小売業・製造業での活用方法を解説【事例あり】

Z世代が消費するまでに重要視するのは「信頼性・共感・話題性」

Z世代は話題性のある商品・サービスに敏感です。そのため、著名人やインフルエンサーのほか、SNS広告や身近な人、憧れの人をとおして、新しいモノの情報に日々触れています。

とはいえ、ITリテラシーが高く、自分らしさも大切にしているZ世代は「有名な人が使っているから」というだけでは、消費には至りません。

まずは自分でその商品・サービスを調べ直します。具体的には、インターネット検索の結果やクチコミ、友人・知人の評価をもとに、その商品や企業を信頼できるか、効能に根拠はあるのかを見極めていきます。その結果、問題がないとわかると、企業やブランドが発信しているコンテンツを見るようになり、購入へと動きます。

さらに、商品やブランドに対する好意が高まれば、ファンとなり、商品の感想や感じたメリットを自ら拡散していきます。したがって、Z世代をターゲットにする場合は、下記の3点を意識するとよいでしょう。

1.      「信頼」を得るため、根拠にもとづく商品説明を行う

2.      配信コンテンツには「共感」できる内容を用意する

3.      「得られる効果」は消費者自身に発信してもらい、ファンの数を増やす

 Z世代にとって、ECなどで行うオンライン上での消費は、特別なことではなく、実店舗での支出とあまり変わりません。しかし一方で、信用できる商品に、共感でき、まわりの人に共有したくなる中身があれば、類似の商品より価格が高くとも、購入される可能性が高くなります。

つまり、企業側がZ世代の消費者のニーズを満たすマーケティングを実行できれば、商品・サービスの売上を伸ばし、事業の成功率を高めることが可能になるということです。

レディメイドレポートを活用したZ世代の価値観のインプット支援 – JINCHI (seedata.jp)

Z世代がいま求めているのは「リアルな体験」

Z世代は、どちらかというとモノの消費には慎重で、経験・体験といったコトへの投資を好む傾向があります。しかし、これまでの商品・サービスがまったく通用しないというわけではありません。従来の商品やサービスで培った技術や経験をもとに、これまでとは違う面や意外な活用法を追求したモノや付加価値が加わったモノであれば、Z世代はその情報をキャッチし、消費する傾向があります。

例えば、以前若者の「車離れ」が話題となりましたが、「持たないけれど車には乗る」という需要を発掘し、カーシェアリングのサービスが普及することになりました。また、マスメディアのリアルタイム視聴が減ったものの、「TVer」などの見逃し配信の視聴数は順調に伸びています。

ただ、Z世代のトレンドは目まぐるしく変わっていきます。今流行しているものをこれから取り入れても、事業をリリースする頃にはその流行は終わり、別の流行が生まれているでしょう。外部の知見や、ビッグデータを活用した分析をもとに、5年後、10年後のZ世代のニーズを捉えることが必要です。

FUTURE WAVEを活用したトレンドリサーチ支援 – JINCHI (seedata.jp)

【成功事例あり】Z世代に訴求するためのポイント3つ

ここからは、Z世代に対するマーケティングのポイントを、下記の4つに分けて解説していきます。あわせて、若者への訴求に成功した企業の事例を紹介しているため、自社の新商品開発の参考にしてみてください。

  • ポイント1. アクセスしやすいオンライン環境を用意しておく
  • ポイント2. シェアできるコンテンツやキャンペーンを実施する
  • ポイント3. オンライン・オフラインを往復できる「リアルな体験」を提供する
  • ポイント4. 気分や場所に合わせて使い分けられる柔軟なサービスを生む

 今後は、Z世代の価値観やZ世代を取り巻くインターネット環境やデジタル機器の進化に合わせたアプローチを実施しなければ、従来のような売上を達成することは困難になっていきます。

 なお、下記のページには、若者のマクロトレンドや直近の消費行動などを把握できるレポートを複数掲載しています。Z世代の価値観や消費行動を把握したい方はぜひ参考にしてみてください。

若者(Z世代・ミレニアル世代)のトレンドや価値観を捉えられる!会員登録者向けZsレポート【有料】

ポイント1. アクセスしやすいオンライン環境を用意しておく

膨大な情報の中から、直感的に効率よく好きなものを見つけるZ世代に対してアプローチしていくためには、オンライン上で情報を提供する場所を複数用意しておくことが大変重要です。

販売チャネルはECを主とし、商品やブランドの情報は自社アプリや公式サイト、そしてSNSなどを通じて、発信します。主流となってきているのは、複数のSNSアカウントを用意し、それぞれに遷移できるような導線を用意する方法です。

現在は決済方法についても、現金・クレジットカード・QRコード決済等と多様化していますが、SNSに関しても、年齢や趣味、気分によって使い分けられています。そのため、使用中のSNSに接続できるかどうかによって、まず「商品を見てもらえるか、見てもらえないか」が決まる可能性が高いといえます。また、会員登録などが必要な場合は、情報管理の安全性を明示することも大切です。匿名にするのか、一部を公開するのかを選択できる状態がおすすめです。

なお、SNSが複数用意されていても、紹介されている商品をすぐに購入できない仕様になっていると、消費者に興味を持たれても、購入の検討前に離脱してしまう恐れがあります。スマホネイティブのZ世代に訴求するためには、情報を見やすく整備し、デザイン性を高めながら、購入に必要なステップをなるべく減らしてみてください。

 【成功事例】Instagramのアカウントを複数作り、数十万人のフォロワーを獲得したライフスタイルブランド「Little Rooms

https://www.instagram.com/littlerooms.jp/

株式会社andが運営するブランド「Little Rooms(リトルルームス)」は、「小さな幸せ、愛おしい暮らし」をコンセプトに韓国風インテリアを叶える家具などをECで販売しています。

同ブランドでは、Instagramのアカウントを3つ運用しており、それぞれで違ったコンテンツを、消費者の目線に立って制作・配信しています。各アカウントのフォロワー数は10万人から50万人で、非常に多くのフォロワーの獲得に成功している状況です(20231月現在)。

Instagramのプロフィール画面にはECURLを貼ることで、興味を持ったユーザーや購入に至りやすい導線を用意しています。

また、SNS上のDMでやり取りできる機能を導入し、少人数の社員でも問い合わせに対応できる体制を構築したことにより、購入前の問い合わせ数は4倍アップし、売上も倍増しました。

参考:
1年で230%成長!合計90万フォロワーのおうちメディア「Little Rooms」“おうち需要”拡大を受け、日用品・飲食料・コスメ等に向けたタイアップメニューの販売を開始|株式会社andのプレスリリース (prtimes.jp)

お役立ちメディア – ユーザーの声を集めるLittle Rooms。購入前の問い合わせを4倍にし、直近売上も2倍に。|チャネルトーク

【Zsトレンド速報】#2 紙の漫画はもうサヨナラ?Z世代で主流の縦読み漫画Webtoonとは!?Z世代の漫画事情に迫る! – SEEDATA

ポイント2. コピーやシェアがしたくなるコンテンツを配信する

Z世代に訴求していくためには、憧れと共感の両方を与えられるコンテンツの制作・配信を行うとよいでしょう。

Z世代には、1人のインフルエンサーに傾倒し、その人の持ち物をすべて真似するよりも、複数の芸能人やインフルエンサー、一般人の中から「お気に入り」を見つけ出す傾向があります。また、特に気になるコンテンツは保存しておき、そこから購入する商品を選んだり、類似の商品を探したりします。そのため、インフルエンサーに一時的なPRを依頼するよりも、すでに愛用している方にその商品・サービスに関するストーリーを発信してもらうほうが訴求効果は高くなります。

また、Z世代が惹かれるのは、最新のモノだけではありません。オンライン上で多様な文化に触れられるようになったことで、いわゆる「レガシー」なモノが流行することも少なくありません。現行の商品のマーケティングを見直すだけでなく、伝統的な技術を活かし、自社に新たな商品を生み出すのも戦略の一つです。

 5年後、10年後の消費者を獲得する事業開発を、未来洞察によって支援する

【成功事例】エモさと環境への配慮で多くのインプレッションを獲得した「ポカリスエット」

https://twitter.com/ayuka_miyamoto/status/1543163301017763840https://twitter.com/shiifoncake/status/1570706964619096064https://twitter.com/yambarhythm/status/1571472426571268100

2022年夏、大塚製薬株式会社はオンラインとフラインの一部店舗で、再利用可能な瓶を使った「ポカリスエット」を販売しました。

 同商品は通常の商品に比べるとやや高めの価格設定でありながら、瓶を返却すると一部料金が戻ってくるという環境に配慮したコンセプトや、透けるデザインの可愛さでZ世代へのアプローチに成功しています。

また、Twitter上ではプレスリリースの投稿に対する「いいね」の数が伸びたほか、同商品の透け感を活かした写真が「#瓶ポカリ」のハッシュタグとともに、SNSに多数投稿されました。

 参考:Z世代が「瓶のポカリスエット」に惹かれる納得理由 | 読売新聞オンライン 
Z世代が「瓶のポカリスエット」に惹かれる納得理由 | Z世代のリアル | 東洋経済オンライン
【Zsトレンド速報】#4 3年目のコロナ禍、正直何してる? Z世代の暇つぶし事情に迫る! |SEEDATA

ポイント3. オンライン・オフラインの両方で体験を提供する

オンラインでのつながりに抵抗感が少ないZ世代ですが、オフラインでの体験もオンラインと同様に楽しむ傾向があります。商品やサービスに対しては「選べること」「自分らしくアレンジできること」という点も重視しているため、オンライン・オフラインのどちらでも体験できることを伝えるとよいでしょう。

例えば、オンラインでは試着している姿を配信したり、リアルタイムで質問に回答したりする方法があります。また、AIによる診断、ARを使った購入後のイメージなども有効です。一方、オフラインでは、ECで販売している商品を実店舗で試着できるサービスや五感で体験できるイベントなどを実施可能です。最近では、Z世代に人気のエンタメを活用し、オンラインゲームとのタイアップなどで認知度を高めるというアプローチも増えてきています。

【成功事例】若者に急速に普及した位置情報共有アプリ「NauNau

https://apps.apple.com/jp/app/id6443529078

スタートアップ企業のSuishow株式会社は、位置情報共有SNSNauNau」というアプリをリリースし、その後3ヶ月で270万ユーザー獲得に成功しました。友人や家族が今、どこにいるか、どのくらいのスピードで移動しているかが把握できるSNSで、主なユーザー層は中高生となっています。

アプリ上では、位置情報のオン・オフを切り替えられるほか、今いる位置を曖昧にしたり、チャットでやり取りしたりすることも可能です。そのため、直接会いたいとき、メッセージだけ送りたいとき、1人で行動したいときなど、気分に合わせてオンラインとオフラインの交流を柔軟に選択できるようになっています。

 参考:位置情報共有SNS「NauNau」、リリースから3ヶ月で270万ユーザーを突破|PR TIMES
【Zsトレンド速報】#1おしゃれや体力づくりは推しのため!?推し活を楽しむZ世代達の美容事情に迫る!|SEEDATA
【有料レポート】ECサイトの購入履歴から深掘る Z世代が家に届けてほしいもの|SEEDATA

ポイント4. 気分や場所に合わせて使い分けられる柔軟なサービスを生む

Z世代は、「自分らしさ」の意識が高く、新しいサービスへの感度も高い傾向があります。日によって、あるいは場所によって身に付ける商品に変化をもたせたり、定期的に交換したりする若者も増えています。

その根底には、「ずっと同じものを使い続けると飽きる」「場によって使い分けたい」という意識があるため、そのようなニーズを満たす商品やサービスだと伝えるのも、マーケティングのポイントです。また、モノの消費よりも、それを活用したコトの消費に重心を置いているため、そのことも伝えられるとよいでしょう。

Z世代に訴求していくためには、歴史ある商品の提供方法を一新するなど、柔軟に進化させていくことをおすすめします。

【成功事例】買い足したくなる、オーダーメイドの推し香水をリリースした「Scently

yousual株式会社がリリースした推し香水サービス「Scently」に関するユーザーによる投稿は、6ヶ月間で2,800件に到達し、公式アカウントへのユーザーの反響も非常に大きいものになりました。

同サービスは、ユーザーの推しに対する自己解釈をもとに、イメージにぴったりの香りをオーダーできるもので、モノとコトの提供を達成しています。固定の商品ではなく、自分だけのモノを作ることが体験できるサービスは、新しい推し活としての地位を確立しました。

また、同社はこの成功をもとに、実写ドラマ化された漫画とタイアップした商品をリリースしたほか、VtuberVライバーとのコラボレーションを開始するなど、サービスを拡大しています。

 詳しい分析を下記の有料レポート内にも記載しています。よろしければご参照ください。

【Zsトレンド速報】#5 個性も気分も香りでコントロール?Z世代の香り事情に迫る!

 参考:Twitterで月間500万Impの“推し香水”サービスScently®からIPホルダー様向け香水企画・生産・販売サービス「キャラクター香水.com」誕生。ドラマ化の人気漫画「シャチ恋」タイアップも。|PR TIMES

Z世代にアプローチする際の注意点3つ

最後に、Z世代に訴求する際に気をつけたいポイントとして、3つの注意点を紹介します。

注意点1. 導線(ゴールフロー)を最適化する

ECを活用する際に見落としがちな点が、販売に至るまでの導線の「タイパ」意識です。スマ―トフォンに慣れ親しんだ世代にとっては、いくつものページをタップして移動し、購入に至るまでに情報の入力が何度も必要になるサービスは、「効率性が悪い」とネガティブなイメージを与え、消費者の離脱を招くことになります。

ECやSNSを準備するだけでなく、それらの導線をZ世代の消費者の目線に立って確認することをおすすめします。また、すでにECを持っているブランドやSNSを運用している企業の場合も、スマートフォンで確認した場合に煩わしいステップがないかを見直してみてください。

参考:【有料記事】リアル店舗じゃなくてネットで買うものってある? ネットショッピングから読み解く若者の買い物事情 – SEEDATA

注意点2. 根拠のない情報や虚偽を行わない

情報の拡散力が高いZ世代は、メリットもデメリットも拡散しやすい傾向があります。例えば、過去に炎上していれば、Z世代はそれを検索し、見つけ出します。また、商品の成分や機能についても、科学的な根拠があるのか、実際に使用した場合にも同じ効果が得られるのかを検索して確かめます。

また、芸能人やインフルエンサーを起用したプロモーションについても、Z世代はよく理解しています。そのため、本当に愛用しているユーザーの感想や、科学的な根拠などを明示することが重要です。

参考:【Zsトレンド速報】#3 インフルエンサーコスメ戦国時代!? こだわりを強く感じたい若者のコスメ事情とは? – SEEDATA

注意点3. 決めつけた表現や枠組みを押し付けない

Z世代は興味をもつ対象の範囲が広く、多様性も受容している一方で、年齢や性別という枠組みにはめられたり、決めつけた表現をされたりすることを嫌がります。仮に、商品やサービスをそのような表現で伝えてしまうと、機会の損失につながるだけでなく、ブランドイメージが低下しかねません。

ただし、クレームなどへの切り返しや、デメリットを笑いに変えるような投稿を行うと、かえって好感度が上がる場合もあります。SNSなどの運用を行う際には、NGワードやネガティブな投稿への対処方法などを話し合っておくことも必要でしょう。

また、Z世代はトレンドだけでなく、考え方も日々アップデートしていく世代です。そこで、下記のメディアでは、Z世代の最新動向を調査したレポートを作成し、随時公開しています。Z世代向けにマーケティングを最適化したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

Z世代の価値観や行動習慣を把握できる!最新の調査内容を公開中【有料レポート】

まとめ

本記事では、今後、国内で消費者の主体となっていくZ世代について解説しました。この世代は従来のX世代・Y世代と比べ、デジタル機器の操作に慣れ、SNSなどを通してオンラインショッピングを楽しむことが当たり前になっています。また、膨大な情報の中から、自分が求めるモノ・コトの情報を収集し、それを体験した上で、まわりの人へ拡散していく傾向があります。

企業がZ世代に最適化したマーケティングを行っていくためには、最新のトレンドだけでなく、過去に流行したものの要素を取り入れつつ、さまざまな楽しみ方をアレンジできるような商品を、事実にもとづいて発信していくことが重要です。

本記事で紹介したZ世代の特徴や訴求ポイント、企業の成功事例を参考に、最適なアプローチを検討してみてください。なお、SEEDERでは、Z世代の起業家や有識者と連携しながら、新規事業開発などを一貫して支援することが可能です。ご質問・ご相談がございましたら、下記のページよりお問い合わせください。

レディメイドレポートを活用したZ世代の価値観のインプット支援 – JINCHI (seedata.jp)

  • URL Copied!
  • URL Copied!

この記事を書いた人

吉冨 剛典 吉冨 剛典 マーケティング担当

大手企業・ベンチャー企業にて事業開発を10年以上経験。
市場動向に即したビジネススキームの構築に強み。
PoC推進支援、事業計画の策定など新サービス / ブランドの立ち上げ実績多数。

新規事業の立ち上げを成功させたい方へ
FUTURE WAVEを活用したトレンドリサーチ支援
FUTURE WAVEを活用したトレンドリサーチ支援

デスクリサーチをベースとした市場のトレンド分析を元に、サービス / プロダクトの改善・開発を行います。未来の生活者や市場動向を事業に活用したいクライアント様向けのパッケージとなります。

ご支援プラン紹介ページを見る
目次
閉じる