フレームワークとは、頭の中の情報を整理し、論理的な思考を可能にするためのツールです。特に新規事業開発では、アイデア出しやビジネスモデルの検討・分析、事業計画の立案・推進など、さまざまなステップで多角的に情報を把握し、迅速に意思決定や課題解決を行う必要があります。
この記事では、新規事業の立ち上げからリリースするまでに役立ついくつかのフレームワークをご紹介します。ぜひ、ビジネスについて考える時や検証する際に活用してみてください。
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デスクリサーチをベースとした市場のトレンド分析を元に、サービス / プロダクトの改善・開発を行います。未来の生活者や市場動向を事業に活用したいクライアント様向けのパッケージとなります。
なぜ新規事業開発が、いま必要なのか
現代のビジネス環境は急速に変化しています。競合他社が参入する中、企業が成長し続けるためには新規事業開発が非常に重要です。新規事業には、新たな市場の開拓や顧客の獲得、収益の増加など、さまざまな期待があります。そして同時に、社員のモチベーション向上や成長にも寄与します。
そのため、新たなビジネスチャンスを見つけ出し、積極的に挑戦することは、結果的には自社の持続的な発展につながるでしょう。
一方で、事業を立ち上げ、成功させるためには新しいアイデアを生み出し、戦略を考え、事業計画を進める必要があります。
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SEEDER流、新規事業の開発プロセス
新規事業の開発プロセスには、多岐にわたるタスクが含まれています。最初に、市場調査を行い、現在の競合状況や市場の需要を調べます。それから、ビジネスプランを作成し、プロトタイプの開発や商品・サービスのテストを行い、調整や改善を加えます。プロジェクトによっては、資金を調達し、人材の採用・選抜なども必要です。
最終的に、商品・サービスを市場に展開し、販売促進やマーケティング活動を行い、需要を喚起します。このようなプロセスを順番に進め、着実に目標を達成することが新規事業の成功につながります。
また、SEEDERでは新規事業開発において、特に「生活者のニーズ」を基に生み出すビジネスアイデアを重要視しています。これは失敗する新規事業に「作ったものの、ユーザーの望んだものではなかった」という原因が多いためです。そのため、SEEDERが支援するプロジェクトにおいては、クライアントの社内リソースをできる限り無駄にしないよう、外部の専門家の力も借りながら、十分な調査・分析・検証を効率的に行い、新しいビジネスを創出することに力を注いでいます。
フレームワークで情報を整理する
フレームワークとは、複雑な問題や情報を整理し、構造化して解決するためのツールのことです。新規事業を始める際には、マーケット調査やビジネスプランの立案など、膨大な情報を扱わなければなりませんが、フレームワークを利用することで、それらの情報を整理することができます。
新規事業の立ち上げ期に必要なフレームワークとは?
フレームワークは単に使うだけではなく、実際に活用することが重要です。例えば、新規事業開発の初期段階においては3C、4P、5フォース分析、マーケティング戦略を立てる際にはAISASなどがよく使われています。
適切なフレームワークを選択し、情報を整理することで、問題の解決や事業開発のスピードを向上することができます。
フレームワークを活用するメリット3つ
- 集めた情報や頭の中を整理できる
- 問題や課題を論理的かつ構造的に見直せる
- 意思決定のスピードを加速し、時間やコストを抑えられる
フレームワークは情報を整理し、思考を容易にするだけでなく、利用することで新規事業開発に関する課題を論理的かつ体系的に見直すことができます。また、整理した情報を用いれば、計画や戦略の策定をよりスピーディに行えるため、その結果、コストや作業時間を抑えることも可能です。将来の企業成長に貢献するツールとして、積極的に活用することをおすすめします。
参考:ビジネスの成果を向上するサービスデザインの考え方とフレームワーク【まとめ】
「アイデアの発想」に有効なフレームワーク
アイデアを生み出すためには、適切なフレームワークを選び、柔軟かつ効率的に活用することが大切です。これらのフレームワークは、ビジネスの計画や戦略策定に役立ちます。
ペルソナ分析
ペルソナ分析は、マーケティング戦略や製品開発に役立つフレームワークであり、顧客の理想的なイメージを具体化し、ターゲットとしたい人物像を明確にすることができます。ターゲットの顧客の特徴や属性、行動パターン、ニーズを調査し、それらをもとにペルソナを作成します。
新規事業のアイデア発想を行う際は、ユーザーが抱える問題を深く理解し、その問題を解決するために必要なアイデアを生み出すことが重要です。そのため、SEEDERの携わるプロジェクトでは、このペルソナ分析がよく活用されています。
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マンダラート(マトリクス法)
これは「曼荼羅シート」とも呼ばれるもので、事業戦略を策定する際に役立ちます。9つのマス目を用意した紙などに、主要な要素を配置し、それぞれについて考えることで戦略の方向性を明確にできます。このフレームワークは、自社の目標やリソースを整理し、効果的な戦略を立てる際におすすめの方法です。
マインドマップ(ロジックツリー)
アイデアを整理して関連性を可視化するためのツールで、ビジネスの計画やプロジェクト管理に役立ちます。自社の目標や課題を整理し、具体的なアクションプランを立てる際や、ブレインストーミングやワークショップなど、アイデアを数多く出す場面で使用されています。
SCAMPER(スキャンパー)法
SCAMPER法は、創造的な問題解決手法の1つです。SCAMPERは、Substitute(置き換える)、Combine(組み合わせる)、Adapt(適応する)、Modify(変更する)、Put to another use(別の用途に使う)、Eliminate(削除する)、Reverse(逆転する)の頭文字から成り立っており、それぞれの方法を活用し、アイデアを広げたり改善したりします。
■ SCAMPERを用いたアイデア展開例
- Substitute(置き換える)
原材料をよりサステナブルなものに置き換えることはできないか? - Combine(組み合わせる)
自社の技術に生活者の欲求を統合できないか?
自社の価値観と最新のテクノロジーを混ぜ合わせるとどうなるか? - Adapt(適応する)
他業界の最新ビジネスを自社の業界に応用できないか? - Modify(変更する)
対応範囲を拡大・縮小できないか?
製品の質感を変更できないか? - Put to another use(別の用途に使う)
従来とは異なる使い方はできないか?
生活者が違う目的で使う可能性がないか? - Eliminate(削除する)
包装パッケージを削減できないか?
不要なもの、取り除ける部分はないか? - Reverse(逆転する)
逆さにしてみるとどのように見えるか?
サービス提供の順序を変えるとどうなるか?
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5W1H・6W3H
5W1H・6W3Hは、課題解決やプロジェクト計画において有効なフレームワークです。以下の要素を考慮し、重要な情報を整理すると、プロジェクトや課題の解決策をより具体的にすることができます。
■ 5W1H・6W3Hの各要素
- Who(誰が関与するか)
- What(何をするか)
- When(いつするか)
- Where(どこでするか)
- Why(なぜするか)
- How(どのようにするか)
- How much(いくらかかるか)
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KJ法
KJ法とは、アイデアや情報を整理し、グループに分類するための問題解決手法です。チームの意見を集約し、パターンや関連性を見つけるのに役立つため、ブレインストーミングなど、特に多くのアイデアや情報を取り扱う場合に有用です。
■ KJ法の手順
- アイデアの収集
参加者からのアイデアや情報を収集します。個々のアイデアは個別のカードに書き込まれます。 - カードのグループ化
収集したカードを関連するグループに分類します。テーマや関連性に基づいてグループ化されたカードによって、関連するアイデアを見つけやすくなります。 - グループのラベリング
各グループに適切なラベルを付けます。それぞれのラベルは、グループの内容を簡潔に表すキーワードやフレーズです。 - グループの整理
グループ内のアイデアをまとめて整理します。似たようなアイデアや関連するアイデアを集め、洗練されたアイデアにまとめます。 - 解決策の選択
グループごとに、最も重要なアイデアや解決策を選択します。最後はメンバー同士で意見を共有し、合意を形成します。
「マーケットの調査・分析」に活用できるフレームワーク
競合の動向や顧客の嗜好を理解することは、より効果的なマーケティング戦略を考えるために重要です。これらのフレームワークを使うことで、マーケティングの調査や分析をスムーズに実行できます。
3C(Customer, Company, Competitor)
このフレームワークは、Customers(企業の顧客)、Competitors(競合他社)、Company(自社の能力)の3つの要素を評価するものです。顧客のニーズを理解し、競合他社との差別化ポイントを見つけ、自社の強みを最大限に活かす戦略を考えることができます。
参考:
3C分析でマーケティングの成功率をアップ!具体的な手順とポイントを解説
マーケティング担当者におすすめ!競合分析に使えるフレームワーク4選
4P(Product, Price, Promotion, Place)
Product(商品)、Price(価格)、Promotion(販売促進)、Place(流通)の4つの要素に焦点を当てて考える、マーケティングのフレームワークです。自社の商品やサービスをどのように位置づけ、どのように販売・宣伝するかを考えることができます。
5フォース分析(5force)
競合他社や顧客の交渉力など、業界の競争状況を分析するためのフレームワークです。自社がどのような環境にあるのかを理解し、戦略を立てるための手法です。
SWOT(スウォット)分析・クロスSWOT分析
自社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を分析し、戦略策定に活用できるフレームワークです。4つの要素を評価することで、自社の内部や外部の状況を把握し、戦略的な方向性を見つけるために使用します。
参考:マーケティング担当者におすすめ!競合分析に使えるフレームワーク4選
VRIO(ヴリオ)分析
Value(企業の資源)、Rarity(希少性)、Imitability(不効率)、Organization(組織内の組み合わせ)の4つの要素を評価し、競争上の優位性を判断するフレームワークです。自社が持つ資源や能力を把握し、競合他社との差別化を図るために利用されます。
アドバンテージマトリクス
このフレームワークは、競合他社と比較して、自社の強みと弱みを整理するためのものです。自社の優れた点や課題を把握し、競争上の優位性を見つけるために使用されます。
ポジショニングマップ
競合他社と比較して、自社の商品やブランドの位置づけを可視化する手法です。自社の商品やサービスがどのような特徴を持ち、他社とはどのように違うのかを理解するために活用されます。
「事業内容・ビジネスモデル」を明確にするフレームワーク
ビジネスの成長のためには、事業内容やビジネスモデルを明確にすることが大切です。ここでは、「事業内容・ビジネスモデル」を明確にするためのフレームワーク5個を紹介します。
4C
Customer(顧客)、Company(企業)、Competitor(競合他社)、Collaborators(協力者)の4つの要素を分析するフレームワークです。市場分析や競争環境の理解に役立ちます。
AISAS
Attention(注意を引く)、Interest(興味を持たせる)、Search(調査する)、Action(行動を促す)、Satisfaction(満足させる)の5つのステップからなるマーケティングのフレームワークです。各ステップは、顧客の購買行動を促進するために使用されます。
■ AISASの5ステップ
各ステップごとに、ターゲットの注意を引くための手法、興味を持たせるための手法、調査するための手法、行動を促すための手法、満足させるための手法を考えます。
- Attention(注意を引く)
顧客の関心を引くために、魅力的なキャッチコピー、広告、またはプロモーションを使用します。顧客が商品やサービスに注意を向けるようにするためのステップです。 - Interest(興味を持たせる)
顧客の興味を引くために、商品やサービスの特徴や利点を示します。顧客が商品やサービスに関心を持つようにするためのステップです。 - Search(調査する)
顧客が商品やサービスについて詳細を調べるためのステップです。顧客は情報を収集し、競合他社と比較して選択肢を検討します。 - Action(行動を促す)
顧客に具体的な行動を促すためのステップです。購入、登録、サインアップなど、特定の行動を促すことが目標です。 - Satisfaction(満足させる)
顧客が商品やサービスに満足していることを確認し、継続的な関係を築くためのステップです。顧客の満足度を高め、リピート購入や口コミの促進を図ります。
AIDMA
Attention(注意を引く)、Interest(興味を持たせる)、Desire(欲求を喚起する)、Memory(記憶に残す)、Action(行動を促す)の5つのステップからなるマーケティングの伝統的なフレームワークです。顧客の購買行動を促進するための広告や販促活動の設計に役立ちますが、近年はAISASを用いる企業が増えています。
バリューチェーン
企業の価値創造活動を分析し、競争上の優位性を見つけるためのフレームワークです。自社のビジネスプロセスを評価し、効率的なビジネスモデルを構築するために使用されます。
参考:新規事業開発のプロセス10個をプロジェクト初任者向けに解説!検証・改善方法も紹介
ビジネスモデルキャンバス
ビジネスの要素を9つのセクションに分割し、ビジネスの全体像を視覚的に表現するフレームワークです。事業の構造や価値提案の考えを形成するために使用されます。
参考:新規事業開発のプロセス10個をプロジェクト初任者向けに解説!検証・改善方法も紹介
アンゾフの成長マトリクス
市場の開拓、市場の拡大、製品の開発、製品の多角化という4つの成長戦略を分析するためのフレームワークです。自社の成長戦略を考えるために使用されます。
「事業計画の改善」が可能となるフレームワーク
ビジネスの成功には、効率的な事業計画の作成が不可欠です。以下では、事業計画の改善に役立つ5つのフレームワークをご紹介します。
PDCA
PDCA(Plan、Do、Check、Act)は、ビジネスの基本的な思考法であり、製品やサービスの継続的な改善にも使われています。
具体的には、まず計画を立てて、目標や改善策を明確にします。その後、計画を実行して実際の結果を得ます。次に、結果を評価し、「目標に対してどのような影響があったのか」を確認します。最後に、評価結果に基づいて必要な対策を講じ、プロセスや品質を改善します。
この4つの手順を繰り返すことは、継続的な改善を実現するために重要な手法であり、ビジネスや組織のパフォーマンス向上に貢献します。
ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーは、情報やアイデアを階層的に整理するためのフレームワークです。これにより、論理的な情報の整理だけでなく、ロジカルな構造を持った文書やプレゼンテーションを作成することができます。
そのため、ピラミッドストラクチャーは事業計画や戦略の立案に役立つフレームワークとして活用されています。
■ ピラミッドストラクチャーを活用する際の注意点
- クリアなメッセージ
ピラミッドストラクチャーでは、メッセージをクリアに伝えることが求められます。情報やアイデアを適切に整理し、必要な情報だけを提示することで、読み手に伝わりやすい文書やプレゼンテーションを作成可能です。 - 適切な階層構造
ピラミッドストラクチャーでは、情報やアイデアを適切な階層構造で展開することが重要です。上位の概念や主要なポイントを明確にし、下位の詳細な情報を整理することで、情報の追いやすさが向上します。 - 最新の情報を反映
ピラミッドストラクチャーを使用する際には、最新の情報を反映することが重要です。特に、ビジネスの計画や戦略に関する情報は常に変化するため、定期的に更新し、最新の状況を反映させましょう。
PLC(プロダクトライフサイクル)
PLCは、製品の市場導入から成熟、衰退までの一連の段階を指すマーケティングの専門用語です。ビジネスの成長と持続可能性を確保するために活用されており、新規事業の戦略を見直す際に役立ちます。
企業は、このPLCを理解しておくことで、プロダクトの寿命や市場動向を把握し、適切な戦略を立てることができます。例えば、市場導入の段階ではマーケティング活動を強化し、成熟期には価格設定や製品改良を行うなど、各段階に適した戦略を展開することが重要です。
■ PLCの主な段階構成
- Introduction(市場導入)
新製品が市場に導入される最初の段階です。需要の創出や顧客への認知を目指し、積極的なマーケティング活動が行われます。 - Growth(成長)
製品の需要が増大し、市場の成長が加速する段階です。競合他社が参入し、新しい顧客層の獲得が重要になります。 - Maturity(成熟)
市場が飽和状態になり、製品が成熟期に入る段階です。競争が激化するため、価格競争や差別化戦略の検討をおすすめします。 - Decline(衰退)
製品の需要が減少し、市場が縮小する段階です。新たな製品や技術の登場により、市場の需要が移行することがあります。
ECRS(イクルス)
製造業において、生産性を高めるために開発されたフレームワークです。このECRSを活用することで、新規事業開発の計画や事業の質を改善することができます。特に業務の改善や効率化が課題となっている場合におすすめのフレームワークです。
■ ECRSの定義
- Eliminate(排除)
不要な作業や無駄を削除すること - Combine(結合・分離)
重複する作業や手順を統合すること - Rearrange(入替・代替)
作業フローを再構築すること - Simplify(簡素化)
作業や手順を簡素化すること
AARRR(アー)
AARRRは、Acquisition(アクイジション)、Activation(アクティベーション)、Retention(リテンション)、Referral(リファラル)、Revenue(レベニュー)の頭文字を表しています。これら5つの要素を順番に改善することで、各要素に対して適切な施策を考えるためのフレームワークです。このARRRを活用することで、顧客獲得や顧客のエンゲージメント、ビジネスの成長を促進できます。
■ AARRRの各要素
- Acquisition
新たな顧客を獲得するための施策や戦略を指します。例えば、広告やプロモーション活動を通じて、新たなユーザーを獲得することが目的となります。 - Activation
新たに獲得した顧客がサービスやプロダクトを実際に利用し始めることを指します。顧客がアカウントを作成したり、初めての利用を始めたりする段階です。 - Retention
顧客に継続的に利用させるための施策や戦略を指します。顧客のリピート率を高めることや、定期的な利用を促すことが重要とされています。 - Referral
既存の顧客の口コミや紹介プログラムなどを通じて、顧客の友人や家族などの新たなユーザーを獲得することを指します。
顧客からの収益を最大化するための施策や戦略を指します。顧客のアップセルやクロスセル、課金モデルの最適化などが重要です。
参考:新規事業開発のプロセス10個をプロジェクト初任者向けに解説!検証・改善方法も紹介
「マーケティング戦略の立案」に役立つフレームワーク
ビジネスが成功するためには、効果的なマーケティング戦略の立案が不可欠です。ここでは、マーケティング戦略の立案に役立つフレームワークを5つ紹介します。
STP(Segmentation, Targeting, Positioning)
市場を細かく分割し、特定のターゲットに絞り込み、差別化戦略を策定するという、3つのステップを組み合わせたフレームワークです。自社の商品やサービスを、どのような顧客に対して提供するのかを考えるための手法といえます。
参考:マーケティングの成功率をアップするフレームワーク活用術
RFM分析
このフレームワークは、顧客の行動データを客観的に評価し、顧客をセグメント化(グループ分け)することで、優れた顧客やリピーターを特定できるというものです。RFMは、Recency(最近の購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の頭文字を表しています。顧客の行動データを活用し、顧客価値や優先度を評価することは、効果的なマーケティング戦略の立案や顧客セグメンテーションに役立ちます。
■ RFM分析の手順
- データの収集
顧客の購入履歴や行動データを収集します。 - RFMスコアの計算
顧客ごとにRecency、Frequency、Monetaryのスコアを計算します。スコアは、顧客の行動データに基づいて設定された基準に従って割り当てられます。 - セグメンテーション
RFMスコアを使用して顧客をセグメント化します。例えば、高いRecencyスコアと高いMonetaryスコアを持つ顧客は、優れた顧客セグメントに分類される可能性があります。 - アクションプランの立案
セグメントごとに適切なマーケティングアクションや戦略を計画します。例えば、Recencyスコアが低い顧客に対しては、リマーケティングキャンペーンを実施するなどのアクションを検討します。
カスタマージャーニーマップ
顧客が商品やサービスを購入するまでのプロセスを可視化するためのフレームワークです。顧客の視点に立ち、顧客のニーズや課題を理解することができるため、顧客体験の改善に役立ちます。まずは顧客の購買プロセスをステップごとに分析し、顧客の感情やニーズを把握しましょう。
参考:サービスデザインを活用したミレニアル向けカスタマージャーニー攻略の3つのポイント
フレームワークを新規事業開発に用いる際の注意点
新規事業開発にフレームワークを活用する際、いくつかの問題に留意する必要があります。適切なフレームワークを効果的に活用することが、新規事業開発の成功の鍵となります。
適切なフレームワークの選択
適切なフレームワークを選択することが重要です。ビジネスのニーズや目的に適したフレームワークを選びましょう。
情報の適切な収集
フレームワークを有効に活用するためには、事前に必要な情報を集めることが重要です。十分な情報を収集し、正確な分析を行いましょう。
適切な分析と解釈
収集した情報を適切に分析し、その結果を正しく解釈することが必要です。誤った分析や解釈は間違った結論につながる可能性があります。
チームの協力とコミュニケーション
新規事業開発においては、チームの協力とコミュニケーションも重要となります。フレームワークを活用する際には、チームメンバー間での意見交換や情報共有が不可欠です。
結果の実践と改善
フレームワークを活用して得た結果を実際に試して、その効果を評価しましょう。必要に応じて改善を行えば、新規事業の成功率を高めることが可能です。
フレームワークをうまく活用するためのポイント
フレームワークはビジネスの効率向上や開発スピードの向上に欠かせない思考ツールです。このフレームワークをうまく活用するための3つのポイントをご紹介します。これらのポイントを意識して新規事業を進めることで、効果的な計画の立案と開発スピードの向上を図れます。
ポイント1.先に新規事業の目的やゴールを明確にしておく
新しいビジネスを始める際には、最初に目的やゴールを明確にすることが重要です。これにより、計画の方向性を定めることができ、どのフレームワークをなぜ使うのかが判断しやすくなります。
さらに、目的やゴールの明確化はチーム全体の連帯感を醸成し、ステークホルダーとのコミュニケーションを円滑にする効果もあります。
ポイント2.複数のフレームワークを使用する
多くの場合、単一のフレームワークだけでは、すべての要件を満たすことはできません。したがって、複数のフレームワークを組み合わせて使用することが重要です。異なるフレームワークは、異なる機能やパフォーマンスを提供するため、プロジェクトの要件に合わせ、最適な組み合わせを選ぶ必要があります。
ポイント3.第三者の視点を入れる
視点を増やすのも1つの方法です。例えば、外部の専門家やコンサルタント、アドバイザーなどを組織に招いて、彼らにフレームワークに基づいた分析を依頼することで、新たな視点や知識を得ることができます。また、情報の整理にかかる手間を減らすことも可能です。
多くの外部パートナーは業界や市場のトレンドに精通しており、豊富な経験と専門知識を持っています。そのため、彼らの意見や提案を聞くことで、自社のビジネスに新たな刺激が加わるでしょう。
まとめ
この記事では、SEEDERにおいて実際に活用しているものも含め、新規事業開発に役立つフレームワークを計28個ご紹介しました。「アイデア出しを効率よく行いたい」「解決策を検討する際に頭の中を整理したい」という時には、ぜひこれらを活用してみてください。
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