新規事業開発のプロセス10個をプロジェクト初任者向けに解説!検証・改善方法も紹介

企業が成長していくためには、新規事業開発が必要だと言われています。しかし、実際に立ち上げるまでには、さまざまなプロセスがあるため、「どの順番で作業を進めればよいのかわからない」「アイデア出しの前に集めるべき情報は何か知りたい」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、新規事業開発のプロセスを10の手順に分解し、詳しく説明します。それらを適切に実行していくことで、自社に新たな経営の柱を立てることができます。また、記事の後半では実行後の検証・改善のポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

新規事業の立ち上げを成功させたい方へ
FUTURE WAVEを活用したトレンドリサーチ支援
FUTURE WAVEを活用したトレンドリサーチ支援

デスクリサーチをベースとした市場のトレンド分析を元に、サービス / プロダクトの改善・開発を行います。未来の生活者や市場動向を事業に活用したいクライアント様向けのパッケージとなります。

ご支援プラン紹介ページを見る
目次

新規事業の開発には5年くらい必要

新規事業開発を行う際は、丁寧さとスピード感の両方をもって動くことが重要となります。また、適切なプロセスを経ることによって、事業内容の精度を高めつつ、市場の変化に対応していくことも可能です。大変ではありますが、結果的に事業の成功率を高められるでしょう。

まずは、新規事業を立ち上げる際の注意点として、期間を確保しつつ、効率性も重視しなくてはならない理由を解説します。

注意点1. 開発に必要な期間を確保する

一般的に、新規事業はビジネスモデルを固めるまでに3年程度かかります。外部人材などを活用すれば、事業計画を具体化するまでの期間や負担を減らすることが可能です。

ただし、それよりも大幅に期間を短縮しようとすると、担当者や現場が無理して取り組むことになります。また、十分な検証ができず、不安要素が残った状態でのリリースとなるなどのリスクも出てきます。

そのため、新規事業開発のスケジュールはあくまでも現実的な範囲で設定してください。「できるだけ短縮したい」という場合は、外部リソースの活用を検討してみてください。

また、成功率を上げるためには、ビジネスモデルを考える際に「いまの市場」ではなく、「5年後の市場」を見据えて取り組むことも大切です。

注意点2. 各プロセスに時間をかけすぎない

プロセスを踏まえ、開発を進めていくことは事業の立ち上げ期には大変重要です。しかし、各プロセスを重視するあまり、時間がかかることは避けましょう。調査やアイデア出しなどに時間をかけ過ぎると、多くを集めること自体が目的になってしまいます。

真に目指すべきは、自社の売上に寄与する事業を生み出し、企業の成長につなげていくことです。考え込む時間を減らすためには、外注したり、目的に合ったフレームワークを活用したりする方法も効果的です。詳しくは、「新規事業に使えるフレームワーク」を参照してみてください。

新規事業開発の立ち上げに必要な10のプロセス

新規事業を立ち上げる際には、まず自社の現状を把握し、情報をもとにアイデアを出し、それを実現していくための具体的な計画を立て、さらに調査・分析や計画の進行を実施していかなければなりません。

ここからは、新規事業開発のプロセスを10個に分け、さらにそれぞれのプロセスにおいてどのような情報を集め、整理していくのかを詳しく解説していきます。

手順1. 専任の担当者を決める

最初に、プロジェクトの責任者の選出や外部パートナーの獲得など、実際に新規事業を開発するために行動する人を決定します。

1-1. プロジェクトの責任者を選ぶ

プロジェクトの責任者が見つかれば、その方は新規事業の専任にしましょう。なぜかというと、事業の立案段階では、責任者も判断や指示だけでなく、手を動かして作業しなければならない場面が多くあるためです。

このような事業責任者は「プロジェクトマネージャー(PM)」とも呼ばれ、プロジェクト全体を管理しつつ、何かあった場合には責任を負う役割もあります。ただ、この責任に関しては「経営層が負う」と明言することで、選ばれた責任者は一層事業に注力していくことが可能です。

【プロジェクトマネージャー(PM)の主な役割】

l  進捗の確認や報告

l  プロジェクトの内容や経緯等の情報共有

l  スケジュール管理

l  作業の割り振りや調整

l  進捗状況の確認とメンバーへのフィードバック

1-2. 外部パートナーを探す

新規事業開発は「新しいビジネス」を自社に生み出すプロジェクトです。そのため、自社内のリソースだけで考え、創造していくよりも、外部の知見を得るほうが、よりビジネスモデルの幅を広げられます。ですので、開発の初期段階にこそ、外部人材を活用することをおすすめします。

下記は、SEEDERの運営するギグパートナーが担える業務の一例です。

外部人材に加えて、自社の社員もメンバーに加える場合も、「既存事業に貢献したかどうか」という視点ではなく、比較的若い、30代くらいの社員を加えるほうが、新しいものを創造できます。開発メンバーとして、どのような人が向いているかについて、詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。

新規事業の開発メンバーに向いている人の共通点6選!向いていない人や必要なスキルも解説

手順2. 自社の理念・ビジョンや社会的存在意義を明確にする

続いて、事業のもととなる自社の理念などをあらためて把握していきます。このプロセスに最適なフレームワークは「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」というものです。自社の社会的な役割を把握できるため、メンバー間で事業の方針やコンセプトを共有する際にも役立ちます。

2-1. 理念やビジョンといった概念をあらためて言語化する

自社の理念や方針は、新たなビジネスの根幹となります。そのため、ここを明確にすればするほど、自社が目指したい方向性や、「どのような新規事業を立ち上げればよいか」のアイデアが出しやすくなります。

言語化すべき項目 問いかけ文(例)
ミッション(目標・使命・理念) なぜ、自社は存在しているのか。

社会にどのような価値を提供しているのか。

ビジョン(目指す姿・方向性) 中長期的にどのような目標を達成したいか。

将来的には、どのような組織になるべきか。

バリュー(行動指針・価値観) ミッションやバリューを実現するために、何をすべきか。

2-2. 言語化した内容をメンバーに共有し、認識の一致を確認する

理念やビジョンを言語化できれば、その内容をメンバー間で共有し、議論しましょう。ただ共有するだけで終わらず、話し合うことによって、言葉の捉え方の微妙な違いに気づくことができます。

外部の人材に対しても、自社の理念や方針、目標等をあらかじめ伝えておくことで、さまざまな齟齬が起きづらくなり、各プロセスの進行もスムーズになります。

反対に、作業を進めていく中で「何かがおかしい」「それは認識と違う」というような不協和音を感じた場合、なんらかの認識違いが発生している可能性が高いといえます。そのような場合は、あらためて手順2で言語化した内容について話す機会を設け、軌道修正していきましょう。

手順3. 自社のリソースを洗い出す

現在の自社のリソースを把握するために、「ヒト・モノ・カネ・情報」と呼ばれるような、経営資源を洗い出します。この時、既存事業の現在の収益性や保有価値などの情報も、漏れなく把握しておくことが大切です。このプロセスでは、自社内の資源を明らかにできる「VRIO分析」というフレームワークが役立ちます。

ヒト 人材、スキル
モノ 製品、設備・機器類、不動産、サーバー、自社サイト など
カネ 経営資金、現金、預金、借入金 など
情報 ノウハウ、顧客データ、知的財産、取引実績、ブランド力 など

近年は、特に地域などのコミュニティとのつながりや、ビッグデータといった形の見えない資産の重要性が高まっています。また、モノの欄に「自社サイト」「ブランド力」と記載しているように、企業のイメージ戦略やブランディングへの注力も、一つの資源として数えられます。

手順4. 顧客の課題を洗い出す

新規事業開発に欠かせないのが「ユーザーファースト」の思考です。顧客の悩みを解決するサービス・製品を提供するためにも、顧客が抱える課題を探し、潜在ニーズを捉えましょう。

例えば、自社に寄せられた消費者の声、アンケートの回答結果、ネット検索で自社名を検索してみる、という方法があります。検索してもなかなか出てこない場合は、既存の商品が想定とは違う使われ方をしているケースもあります。そこにアイデアのヒントがある場合もあります。ぜひ探してみてください。

このプロセスでおすすめのフレームワークは、顧客目線で事業をとらえる「4C分析」です。従来よく使われていた、企業目線で考える「4P分析」とは異なり、顧客にとっての価値や利便性、コミュニケーションなどの視点で考えられるため、より解像度高く、顧客ニーズをとらえることが可能となります。顧客の購買理由を理解できれば、競合との差別化にも役立ちます。

ただし、商品や市場のことばかり考えていては、それは新規事業開発ではなく、新商品開発・新市場開拓になってしまいます。「自社がやりたいこと」ではなく、「顧客が求めているものが何か」を重視することを念頭におきましょう。

SEEDERでは、顧客ニーズの理解に「未来洞察」を用いています。このソースとなるのは、顧客の行動履歴やアンケート調査の結果で、5年後のニーズを導き出すことができるため、新規事業開発に活用されています。

手順5. 事業の領域を再定義する

このプロセスでは事業ドメインとして、「誰に、何を、どのように提供していくのか」を定義していきます。この事業ドメインとは、企業が経済活動を行う事業の領域のことです。領域を設定することができれば、戦略が立てやすくなり、より具体的な顧客像が浮かぶようになります。これはつまり、事業の方向性が明らかになるということです。

具体的には、顧客を軸に、物理的な定義と機能的な定義を書き出していきます。これまでに把握した自社の理念等や経営資源をもとに、「どのような領域で活動可能か」を自社視点で定めていきます。

領域を定義することによって、アイデアを多角的に展開しやすくなるというメリットもあります。ただし、ここでもメンバーの間で理解にズレのないように気をつけることが大切です。

                                                           顧客像(誰に)
物理的な定義(何を) 機能的な定義(どのように)
どのような製品・サービスをつくるのか。

どのようなノウハウ・技術を活かすのか。

製品やサービスの持つ価値は?

使うことで顧客が達成できることは?

手順6. 新規事業のアイデアを出しあう

アイデアを考える際は、自社の顧客が抱えている課題をどうすれば解決できるのかを考えてみてください。仮に、自分たちのやりたいこと、実現したいことを優先してしまうと、顧客が求める価値とのギャップが生じてしまいます。

また、新規事業を収益化できるのは早くとも5年後です。そのため、アイデアを出す際は5年後、10年後の未来を想像しながら行っていきましょう。

アイデアの良し悪しは、事業の成否にも関わるため、できれば新規事業の開発に長けた、データベースを保有している集団に依頼することをおすすめします。外注する際は100万円から300万円くらいを見積もっておくとよいでしょう。

なお、自社でアイデア出しを行う場合におすすめのフレームワークは下記のとおりです。下記に記載しているものはそれぞれアプローチ方法が違っているため、詳しくは「新規記事_フレームワーク」の記事を参考にしてみてください。

1.      アイデアを拡張できる「マンダラート」

2.      アイデアをさらに展開していく「SCAMPER(スキャンパー)法」

3.      抽象的なものを具体的にする「5W1H」あるいは「6W3H」

4.      アイデアや課題に行き詰ったときに活用できる「アンチプロブレム」

5.      アイデアが出ない時の助けとなる「オズボーンのチェックリスト」

手順7. 市場調査・事業調査を実施する

アイデアを出すことができれば、今度は参入する分野の市場や競合などの調査を行っていきます。このプロセスは、いわば「アイデアが実現可能かどうか」の検証フェーズです。

例えば、ビジネスモデルが始動できるかどうか、事業を実現した場合の利益率を調べたり、事業を展開していく5年後に勝機があるかどうかを分析したりします。

ただし、ここでも大切なのはスピード感です。上司への報告のための資料を増やしてしまうと前に進まなくなるため、注意しましょう。生産性を損なわないようにあくまでも、今必要な調査にとどめ、詳細のリサーチは外部委託することをおすすめします。相場は高くても100万円ぐらいで、報告用の資料の作成も外注可能です。

そして、このプロセスでおすすめのフレームワークも複数あります。詳しい使い方は「新規事業で使えるフレームワーク」の記事を参考にしてみてください。

1.      競合と自社の立ち位置を明確にできる「ポジショニングマップ」

2.      自社・市場・競合他社を分析する「3C分析」

3.      戦略を考えるときに有効な「アドバンテージマトリクス」

4.      市場の全体から細部までを把握する「STP」

7-1. 市場性を調べる

市場性とは、マーケットの特徴や、市場に今後起こりうる変化のことです。調査では市場の特徴や、今後の見通しなどを調べます。

また、競合他社の動向や市場の成熟度合について把握することも重要です。例えば、「シェアを獲得できるか」「どの程度とれるか」「プレーヤーの構成状況は?」といった情報を推計していきます。

事業の成功率を高めるためには、短期的あるいは中期的に、「顧客が確実に存在し、増えていくか」ということを確信できるまで、調査を行うことが不可欠です。これはつまり、考えたアイデアを具現化したものを提供していく価値があるかを見極めるプロセスだといえます。下記の表を参考に、市場性を正しく理解していきましょう。

【市場性の調査内容】

市場の特徴 既存事業の市場との違い

経済的価値、トレンド

市場の構造・構成 市場の生産・販売・出荷等の集中度合い

市場を支えているものは何か

市場の規模 どのくらいの金額が動くか
需要の規模 どのくらいのニーズがあるか
市場形成の蓋然性 市場が成熟しきっているかどうか

市場のライフサイクルについて

(導入期、成長期、成熟期、衰退期)

市場の成長性や見通しの予測 価格競争が始まっていないか、

すでに商品・サービスが浸透していないか

市場成長のトリガー どのような要素によって、成長するか
市場プレーヤー 新規プレーヤーについて

既存プレーヤーが強力過ぎないか

市場のリスク 想定されるリスクについて

為替動向、資材価格の相場、社会情勢の影響

市場で発生するイベントやコンペ どのような販路があるか、足がかりにできるか

7-2. 事業性を調べる

事業性とは、「どのような顧客が、どのような課題を解決するために購入するか」ということです。事業を開発する際は、市場性と事業性の両方を兼ね備えている必要があるため、あわせてリサーチしておきましょう。

下記の表を参考に、「誰に向けて、何を売るのか」「ビジネスとして成立しているのか」を検討してみてください。

【事業性の調査内容】

ターゲットの特徴 想定している顧客像
ターゲットの購入蓋然性 実際に購入されるかどうか
ターゲットへの提供価値 需要にマッチする商品・サービスの要件

ノウハウ、資金力

ターゲット層の規模 どのようなセグメントで構成されているか

どのくらいの人数がいるか

ターゲットとの関係構築 顧客との関係構築方法
事業を構成するプレーヤー 競合他社の動向について
事業のリスク 想定されるリスクについて

手順8. 事業内容(ビジネスモデル)を構築する

ここまでのプロセスが完了したら、ようやくビジネスモデルの構築に進めます。ビジネスモデルは、今後事業を進める上での骨格となるものです。市場での競争力も意識し、強いビジネスを創ることを意識することが大切です。

このプロセスで活用可能なフレームワークはいろいろとありますが、本記事では「リーンキャンパス」を紹介します。

自社の事業を可視化する「リーンキャンバス」

「ビジネスモデルキャンバス」とも呼ばれるこのフレームワークでは、事業をアイデアベースで考えていきます。具体的には、ビジネスモデルを9つの要素に分類するものです。わかりやすさ・使いやすさに優れている点と、集めた情報を視覚的にとらえやすくなる点がこのフレームワークのメリットといえます。

異なる要素を下記のように1つにまとめて書くことによって、つながりが見出せるため、自社にとって最適なプランを練りやすくなります。

手順9. 現実的な計画を立案する

ビジネスモデルが定まれば、計画の立案に移ります。ただ、一口に計画といっても、さまざまな計画があります。軸となるのは「事業計画」です。これは事業の道筋を示すための設計書のような位置づけになるほか、社内外への説明時の資料となります。詳しくは「事業計画_考え方」の記事を参考にしてみてください。

他には、行動計画や収支計画を下記のように作成します。

【行動計画】

l  「いつ・誰が・何を実行するか」を明らかにする

l  3ヶ月~半年くらいの行動計画を作成する

l  具体的に1日ごと、1週間ごとの行動を定めると、立ち上げがスムーズになる

【収支計画】

l  必要な予算やどのくらいの収益がいつ頃得られるかを示す

l  自社のリソースを踏まえ、金融機関からの資金調達を検討する

これらを事業計画書に添えることで、事業の説得力が増します。経営陣への説明のほか、金融機関から融資を受ける際にも参考資料として役立つでしょう。

ただし、事業の成功率を高めるためには、計画立案から実行までに時間をかけすぎないことも重要です。事業計画書は、プロに依頼すれば1本あたり100万円から200万円くらいで外注可能です。リソース等を踏まえ、資料作成にかかる作業を手放すことも検討してみてください。

9-1. テスト販売で実現可能性や顧客の需要を検証する(事業計画を評価する)

立案時のポイントは、現実的で無理のない計画を立てることです。仮に、収益予想や経費の回収時期を無理して設定してしまうと、後々計画がとん挫するリスクになりかねません。

計画をより現実的なものにするため、テスト販売の実施をおすすめします。実際に試してもらい、感想や要望等をヒアリングすることで、お客さまのリアルな声が集められます。

【評価のポイント】

l  ビジネスとして成立するか

l  市場の規模に対する投資が見合っているかどうか

l  自社でその事業を行う価値はなにか

また、テスト販売を経て事業を評価した結果、顧客ニーズが想定と違い、「事業を進めるべきではない」と判断すれば、大きな失敗を回避することができます。また、残った予算であらためて新規事業の開発に取り組むことも可能です。顧客ニーズの調査プロセスに立ち返り、再スタートしましょう。新規事業の開発は、知見のある外部人材からノウハウを吸収しましょう。

9-2. 実現するための障壁やリスクを把握する

新規事業は不確実性の高いものです。そのため、事業の実現時に想定されるリスクを、このプロセスで洗い出しておきましょう。

例えば、「誰が動くのか」を明らかにするため、初期の実行チームを編成します。

また、数ヶ月間の週次スケジュールも作成します。その他にも、マーケティングや業務改善、リスクマネジメントについても「どのように行うか」をあらかじめ想定しておくことが大切です。

新規事業の立ち上げ経験がない場合は、スタートアップ企業やベンチャーでプロジェクトに携わった経験がある外部人材から知見を得ることをおすすめします。

経験をもとに、想定されるリスクや、リスクに対する備えについて知見を得ることが可能です。自社にない知見によって、可能なかぎり失敗を回避しましょう。

【計画に含める内容】

l  マーケティング方法(どのように商品・サービスを顧客に知ってもらうか)

l  販売経路(どのように顧客にサービスを届けるか)

l  業務改善の方法

l  リスクマネジメント(考えられる脅威)

l  活用する資源や予算について

手順10. 事業環境を構築し、実行に移す

事業の実行前に、環境の構築が必要です。アイデアを実現するために、開発できる環境を整えていきます。ここで言う環境とは、「ヒト・モノ・カネ・情報」のことで、手順3で洗い出した経営資源の情報がもとになります。環境が構築できれば、事業を回す仕組みづくりや、商品・サービスのリリースを実行していきましょう。

ヒト 必要なスキルを持ったメンバーを確保

外部人材を適宜利用する

役割分担、権限の設定(権限を与えすぎると勝手に動かれる。決裁や承認のタイミングなども考える)
モノ・情報 アイデアをかたちにできる環境を構築 スキル、ノウハウ、設備等
カネ 予算の確保

必要に応じて金融機関から融資を得る

事業の運転に必要な資金

新規事業を実現するための資金調達方法2つ

創造した大きなアイデアを実現するためには、資金調達が必要となることがあります。この、資金調達の方法には2種類あり、1つは補助金・助成金制度の利用、もう1つは金融機関から融資を得る方法です。

補助金や助成金は、あくまでも何かあった時の足しと考えることをおすすめします。立案時点で当てにするよりも、ビジネスモデルの確定後に「利用できるものがないか」というように探すか、起業の経験が豊富な人材に情報を提供してもらいましょう。

金融機関からの融資の中には、「創業融資」というものがあります。事業に投資できる金額を増やすことによって、設備投資費用や広告宣伝費などの予算に充てることも可能です。

「借入金をどのくらいの期間で返済できるか」「収益を黒字化できる時期がいつになるか」なども考えながら、融資について適宜、検討してみてください。

新規事業の検証と修正改善の2つ

事業の立ち上げと環境構築が完了すれば、以降は顧客の反応を確かめ、顧客の要望に応えるフェーズに移行します。そして、立ち上げが完了すれば、市場への参入や顧客へのアプローチに移ります。しかし、その際に「なんだかうまくいかない」「計画時の想定とずれがある」という事態が起こりがちです。そのため、計画の実行後には検証し、改善するサイクルを回す必要があります。

このような「計画の定期的な見直し・改善」は、事業の成功には欠かせません。特に昨今は外部環境の変化が激しく、このサイクルをスピードアップすることも非常に重要です。高速でまわすことで、事業の質をどんどんと高めていきましょう。まとめて大幅に改善するよりも、適宜修正・改善を繰り返し、事業を拡大させていくことをおすすめします。

ポイント1. フローや行動の見直し

立てていた行動計画と進捗のずれや、「効率がよくないな」と感じることがあれば、フローや行動の見直しを行うタイミングといえます。おすすめのフレームワークは、現場の業務改善に用いられる「バリューチェーン分析」「ECRS」などです。

このようなフレームワークを用いることで、どの部分で作業コストがかかりすぎているかを見極めることができます。また、新規事業の計画修正にも、これらのフレームワークが役立ちます。

 「行動」の見直しに活用できる「バリューチェーン」

事業を「主活動」と「支援活動」に分類して、洗い出すフレームワークです。まず、すべての活動をリストアップし、それをさらに細分化します。

自社のバリューチェーンを正確に把握できるほか、それぞれの業務で発生しているコストを分析することによって、作業コストや収益性を把握することが可能です。

事業を継続させ、売上に寄与するものに成長させていくためには、バリューチェーンを再構築することも一つの施策といえます。

引き算によってフローを改善していく「ECRS(イクルス)」

現場の業務改善などに用いられるフレームワークで、4つの言葉の頭文字をつなげて「ECRS」と呼ばれています。

  • Eliminate(排除):不要な仕事、手順をやめること
  • Combine(結合):重複している要素をまとめる
  • Rearrange(再編成・代替):別の方法に変える、アウトソーシングする
  • Simplify(簡素化):時間・工程・ルートを効率化する、仕様を簡素化する

EからSの単語の順番に、洗い出した業務を省いたり、まとめたり、別の方法を検討したり、よりシンプルな業務に変えたりしていきます。それによって、円滑な業務進行を阻害しているものが何か、より効率よく進めるためにはどうすればよいかを考えることが可能です。

ポイント2. 顧客アプローチの見直し

立ち上げ段階では、顧客ニーズを想定し、テスト販売を行いました。つまり、仮説・検証の段階です。事業が動き出してからは、実際に顧客へアプローチしていきますが、このとき、想定よりも顧客への認知度が高まらず、需要が伸びない場合があります。

事業の質を高め、需要を伸ばすためには、顧客の要望や参入した市場の特性などを分析し、競合他社との差別化をはかり、より利用される商品・サービスへと変えていくことも重要です。

また、検証した結果次第では、追加の投資等や、事業撤退の判断をすばやく行う必要があります。早めの判断によって、損失の拡大を回避できるほか、次の新規事業に投資する費用を守れます。

サービスの成長度や顧客の現状をはかれる「AARRR」

このフレームワークの呼称は、顧客の状態・サービスの成長段階を表す5つの言葉の頭文字をつなげたものです。

  • Acquisition(獲得):顧客の獲得は「どこから」なのか
  • Activation(活性化):顧客が「どのくらい」好ましい経験をしているか
  • Retention(継続):顧客は「継続的に」商品・サービスを利用しているか
  • Referral(紹介):顧客は「家族・友人・知人等」に商品・サービスを伝えているか
  • Revenue(収益):顧客の行動が、収益化につながっているか

まとめ

新規事業においては、本記事で紹介したプロセスのように、顧客が抱える課題を解決するためのアイデアを出し、5年後の市場の需要を予測した上で、具体的な計画を立て、実行していくことが重要です。また、新規事業の成功率を高めるためには、自社のミッション・ビジョン・バリューや経営資源を正しく把握し、その上で既存事業に縛られない、新しいビジネスモデルの創造が求められます。

ただ、新たな事業を起こす際には膨大な作業が発生します。適宜、外部リソースを活用し、無理のない範囲で期間を短縮しながら、開発を進めていきましょう。

そして、立ち上げ後には、計画を実行しながら、顧客や市場の状態を分析し、フローや行動を都度見直していきます。顧客の需要にフィットするビジネスへ修正・改善していくことは、新規事業の質をより高めることになります。

また、検証の結果、新規事業が失敗するリスクが高いと判断した場合には、早期に撤退し、あらためてリサーチし、別の新規事業を立ち上げていきます。「新規事業のアイデアが実現可能か検討したい」「成功率が高い新規事業のアイデアがほしい」という方は、ぜひSEEDERが提供している「未来洞察」の導入を検討してみてください。

  • URL Copied!
  • URL Copied!

この記事を書いた人

吉冨 剛典 吉冨 剛典 マーケティング担当

大手企業・ベンチャー企業にて事業開発を10年以上経験。
市場動向に即したビジネススキームの構築に強み。
PoC推進支援、事業計画の策定など新サービス / ブランドの立ち上げ実績多数。

新規事業の立ち上げを成功させたい方へ
FUTURE WAVEを活用したトレンドリサーチ支援
FUTURE WAVEを活用したトレンドリサーチ支援

デスクリサーチをベースとした市場のトレンド分析を元に、サービス / プロダクトの改善・開発を行います。未来の生活者や市場動向を事業に活用したいクライアント様向けのパッケージとなります。

ご支援プラン紹介ページを見る
目次
閉じる