新規事業のアイデア出しを加速させる3つのフレームワークとは?考え方のコツもご紹介

新規事業を開発する際のプロセスで特に重要だといわれるのが「アイデア発想」です。新規性やトレンド性などの要素を含まないアイデアを出しても、成功する可能性の高い事業に結び付けるのは困難でしょう。また、出てきたアイデアの数が少ない場合は、アイデア出しの方法を変えることで、より良いアイデアが複数生まれる可能性があります。

そして、数多くの顧客ファーストの良質なアイデアを生み出すことができれば、その中から特に良いアイデアを絞り込み、それを自社の経営の柱となる事業として実現できます。しかしながら、「アイデア発想の方法を詳しく知らない」「単なるアイデアは出てくるものの、良いアイデアがなかなか集まらない」という方は少なくありません。

そこで本記事では、より良いアイデアを発想するためのポイントや、アイデアに必要な5つの要素、そしてアイデアを生み出すための具体的な方法を詳しく解説していきます。また、新規事業の成功率を高めたいと考えている方に向けて、失敗を回避するためのポイントなどを資料にまとめて提供しています。ぜひ参考にしてみてください。

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目次

新規事業におけるアイデア出しの重要性

新規事業に欠かせないプロセスの1つが「アイデアの発想」です。消費者の潜在ニーズを引き出し、解決できるようなアイデアを生み出すことができれば、それはイノベーションにつながります。

一方で、市場に既にある商品・サービスに似たアイデアを事業化したとしても、市場で十分な地位を築ける可能性は低く、消費者の興味関心を得ることも難しいでしょう。

つまり、新規事業開発においては、良いアイデアの発想が事業の成否を左右するといえます。そして、そのアイデアは顧客あるいは消費者の抱える課題を解消するものであることが重要です。

なお、事業の成功率を高めるためには、アイデアを出した後に具体化し、計画を立て、それを実行するまでのプロセスも十分に考えておく必要があります。(参考:新規事業開発のプロセス10個をプロジェクト初任者向けに解説!検証・改善方法も紹介

また、アイデアを出すためのヒントとして、顧客との対話や市場調査、競合分析などを行い、必要な情報を収集することも大切です。ただし、十分なリサーチを行うためには時間や費用といったコストがかかります。自社ですべて行うのは難しい場合、事業開発の初期段階から外注を検討することをおすすめします。

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新規事業に求められる「有望な」アイデアの要素5

自社の経営の新たな柱を創造するためには、新規事業の核となるアイデアに、以下の5つの要素を含めることが重要です。

    1. 革新的
    2. トレンド性
    3. 問題解決性
    4. 収益性
    5. 市場の将来性

    これらを備えた新規事業のアイデアならば、消費者の潜在ニーズを満たしながら、変化の激しい外部環境の中でも生き残ることができます。

    ここからは、それぞれの要素についても解説していきます。

    要素1. 新規性

    アイデアの新規性として、これまでにないもの、馴染みのないものであることが求められます。例えば、新技術を用いたり、既存製品をまったく違うアプローチで提供したりするような事業は、新規性のある魅力的なアイデアといえます。

    例えば、近年ではメタバース関連のサービスが増加していますが、そのような技術と自社の事業を掛け合わせることで、新規性を獲得できる可能性があります。他にも、別領域の最新のビジネス事例を参考に、どのようなところに新しさがあるのかを分析し、自社に導入できないかどうか検討するのも、1つの方法です。

    要素2. トレンド性

    良質なアイデアにはトレンド性も必要です。ただし、新規事業開発の場合、いま流行しているものを取り入れても、リリースする頃には別のトレンドへと移り替わっている可能性が高いため、ご注意ください。

    新規事業に最適なアイデアを出すためには、3年後、5年後、10年後のトレンドをキャッチすることを目指し、一部の消費者が今抱えている潜在ニーズに注目することをおすすめします。SEEDERでは、そのようなニーズに関する仮説を含む、生活者分析レポートを提供しています。最新のビジネス事例を知りたい方は、ぜひそちらも参考にしてみてください。

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    要素3. 解決性

    新規事業開発のアイデア出しでは、特に「解決性」が含まれているか否かが重要になります。この解決性を含めるためには、現在の市場や社会にある課題・問題点を探し、それらを解決するためのアイデアを考えることが必要です。

    実は、市場で成功している事業の多くが、顧客や消費者の視点で考えられているもので、そのような商品やサービスが人々の課題や悩みを解決しています。反対に、企業ファーストで開発した事業の場合、リリースすることができても、需要が少なく、継続できずに終わる可能性が高いといえます。

    直近の例では、食品廃棄物を使ったエコレザーなどが登場し、環境問題を解決する1つの方法として注目を集めました。アイデア出しの段階から、「自社の技術を用いて、世界的な問題を解決できないだろうか」という視点で考えていけば、解決性を取り入れたアイデアにすることが可能です。

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    要素4. 収益性

    アイデアはただ出せば良いというものではありません。そのアイデアが事業化した際に、自社が安定して収益を得られるか、それが現実的に叶うのかどうかを見極めましょう。

    そのためには、多くのアイデアを出し、その後に収益性をもとに数を絞って評価するという方法をおすすめします。その際、本当に消費者のニーズがあるのか、あるいは参入する市場の規模が自社に合っているかについては、別途、市場調査などを行います。

    ただし、新規事業の場合、1つの事業のみを大きく伸ばして成功させるよりも、はじめはいくつかのアイデアを事業化し、3年後、5年後にそのうちの2つか3つの事業で小さく成功することを目指すほうが、最終的な成功率を高めることができます。詳しくは、下記の資料も参考にしてみてください。

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    要素5. 将来性

    「市場の将来性」とは、市場に今後の高成長が期待できるかどうか、というものです。前述の収益性と類似している要素で、参入する市場でこれから需要の増加を見込めるかどうかを重要視します。

    仮に、商品やサービスのリリース直後に収益が見込めたとしても、対象となる市場に縮小していく傾向が見られれば、事業が失速していくことは明らかです。また、レッドオーシャンと呼ばれる、すでに市場にプレイヤーが多くいるような市場も、相当な自信とその根拠がない限りは避けたほうが良いでしょう。

    新規事業開発時には、ブル―オーシャンと呼ばれる、競合となる商品・サービスが比較的少ない市場を狙って、アイデアを出すことをおすすめします。

    ここまでに紹介した5つの要素以外にも、新規事業の立ち上げ時に押さえておくと良いポイントは数多くあります。下記には、そのような新規事業開発を支援するさまざまな情報を掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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    アイデア発想のための準備事項

    ここからは、事前に把握しておくべき情報や、アイデア出しを行う際の着眼点について解説していきます。

    アイデア出しに入る前に明確にしておくべきポイント4つ

    アイデア出しに入る前に、まずは以下の4つを明確にしておきましょう。

    【事前に把握しておくべき情報】

    1. 自社の方針
    2. 市場や顧客のニーズ
    3. 競合他社のビジネス
    4. 自社の目標

    まずは「企業としてどのような問題を解決しようとしているのか」あるいは「どのような情熱を持って取り組んでいるのか」といった、自社の方針や価値観を明確にしましょう。ミッション・ビジョンなどをアイデアに反映することで、新規事業の軸と自社の軸とが重なり、一貫性のある事業を開発することができます。また、社内の協力や理解も得やすくなるでしょう。

    次に、ターゲットとなる市場や顧客に関する情報を収集し、それを十分に把握しておくことも必要です。情報を深掘りし、どのような潜在ニーズがあるのかを理解していれば、より具体的なアイデアが浮かびやすくなります。

    そして、3つ目を明らかにするためには、競合分析が必要となります。競合他社にどのような企業がいるのか、どのようなビジネスモデルで展開しているのか、あるいは競合他社の強み・弱みについても調査・分析します。他社を知ることで、自社のビジネスモデルに合うアイデアも発想しやすくなります。(参考:マーケティング担当者におすすめ!競合分析に使えるフレームワーク4選

    最後は、自社の目的、目標の明確化です。「どのような目的を持って新規事業を立ち上げるのか」「開発後にはどのような目標を達成したいと考えているのか」を明らかにすることで、アイデア出しの方向性が定まります。

    これら4点を明確にすることで、より具体的で実現可能なビジネスアイデアを生み出せるでしょう。

    アイデア出しの着眼点3

    アイデアを出していくときに考えるべきポイントは、以下の3つです。

    1. 消費者の抱える課題の掘り下げ
    2. 技術の活用
    3. 社会課題の解決

    ポイント1. 消費者の抱える課題の掘り下げ

    1つ目のポイントは、消費者が直面している問題やニーズを解決するアイデアを考えることです。そのためには、最初に消費者が抱えている課題にどのようなものがあるのかを把握し、その課題を掘り下げ、分解していくことが必要となります。

    例えば、「食材の買い出しが面倒だ」という問題を解決するために、これまではオンラインで注文可能な食材宅配サービスがトレンドでした。しかし、昨今では新たに「オンライン注文すら面倒」「来週何がいるのか、考えることが大変」「定期配送のリズムが実情と合っていない」という不満を持つ人々が登場しています。そして、そのような人々の不満を解決する方法として、冷蔵庫の中の品ぞろえをAIが把握し、自動的に商品を発注し、家まで届けてくれるような、全自動化サービスが開発されています。

    このように、市場や顧客の潜在ニーズを調査し、それを解決するためのアイデアを発想することで、需要を獲得できます。

    ポイント2. 技術の活用

    2つ目は、最新の技術を活用した、新しい製品・サービスの開発です。例えば、昨今はAI技術を活用し、エアコンや掃除機などの生活家電について、電力調整や電源オン・オフの切り替えを、初期設定なしで自動制御する製品が開発されています。他にも、ブロックチェーン技術を活用した安全なデータ共有システムや強固なセキュリティ機能なども、新しい技術といえます。このような技術を活用すれば、市場での競争力を高めることが可能です。

    そして、この2つ目の着眼点の根底には、1つ目の消費者の課題があります。そのため、まずは消費者の課題を掘り下げ、それを最新の技術で解決する方法を考えると良いでしょう。

    しかしながら、そのようなアイデアをゼロから発想するのは非常に大変です。解決策として、ある領域の最新事例をもとに、それを自社の領域に置き換えて考えてみる、という方法があります。アイデアがなかなか思いつかないという方は、ぜひ試してみてください。なお、SEEDERではそのような最新事例をまとめた独自のレポートを提供しています。(参考:日本国内外の先端事例や生活者トレンドをSEEDATA独自の視点で分析し、ブログ形式で配信|SEEDATA

    ポイント3. 社会課題の解決

    3つ目には、社会的な課題を解決するアイデアを考えることを挙げています。世界的な環境問題や貧困問題などをもとに、それらを解決する新しいビジネスモデルやサービスを開発していきます。自社の事業のうち、SDGsに当てはまるものがないかどうか、見直してみても良いでしょう。

    これらの着眼点は、未来を見据え、長期的な成長戦略を構築していくためにも重要なポイントとなります。

    なお、SEEDERでは最新のビジネスモデルや事例、まだ一般的には浸透していない価値観をもって生活する方々に関する調査・分析結果をレポート化し、提供しています。詳しくは、下記のページをご参照ください。

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    新規事業のアイデアを生み出すための4つの方法

    新規事業のアイデアを生み出す際に最適な方法として、以下の4つが挙げられます。

    1. ブレインストーミング
    2. ワークショップ
    3. フレームワーク
    4. 思考の転換

    方法によって、アイデアの出し方はさまざまです。ここからは、それぞれの手順や型をご紹介します。

    方法1. ブレインストーミング

    ブレインストーミングは、複数名でグループになり、アイデアを出し合う方法です。1953年に考案された伝統的な手法で、非常にシンプルで導入しやすいところが特徴です。

    このブレインストーミングは、以下の手順で行います。

    【ブレインストーミングを実施する手順】

    1. ルールの確認
    2. テーマの提示
    3. アイデアの出し合い
    4. アイデアの整理

    最初に、ルールや「どのようなテーマでアイデアを出していくか」を参加者全員に説明し、理解してもらう必要があります。また、全員にアイデアを出す時間を設け、追加のアイデアが思いつかなくなるまで、順番を回し続けます。

    すべてのアイデアが集まったら、その中から重複しているもの、似たようなアイデアをまとめます。そして、その中から優先度や実現可能性を考慮した上で、より良いアイデアを選び出します。

    このブレインストーミングで大切になるのは、以下のルールを守った上で、アイデアを出しあうことです。

    【ブレインストーミングのルール】

    • 批判的な判断を避ける
    • 質より量を重視する
    • 関連性にとらわれない
    • 他人のアイデアに耳を傾ける

    まず、アイデアを出す際には、「それは違うのではないか」といった批判的な思考はおさえます。また、アイデアの検討や評価はすべて出尽くしてから行うため、発想の段階では回避しましょう。

    次に、自分自身のアイデアだけでなく、他人のアイデアにも耳を傾けます。これにより、新しいアイデアと出会えることもあります。

    最後に、関連性にとらわれず、自由に発想するように心がけましょう。一見関係がなさそうなアイデアでも、後から組み合わせてみると新しいアイデアが生まれることがあります。

    なお、紹介したルールは他の方法でアイデアを出す場合にも大切なことになります。ルールを守ることで、より良いアイデアを出すための雰囲気づくりにもつながるでしょう。

    方法2. ワークショップ

    アイデア発想のためのワークショップは、グループセッションで行います。ポイントは、異なるバックグラウンドを持つ人々が同席し、アイデアを共有して問題解決のための新しい方法を探ることです。他社や個人が協力することで、直面している課題を解決するための新しいアイデアを生み出せます。

    ワークショップは以下のステップに分けて実行するのが一般的です。

    【ワークショップを実施する手順】

    1.      ブレインストーミング

    2.      アイデアの評価

    3.      アイデアの実行可能性の検討

    ブレインストーミングを用いたアイデア発想で終わらず、そのアイデアを練り、具体的な計画に落とし込んでいくところが、ワークショップの特徴といえます。

    このワークショップはさまざまな組織で取り入れられており、企業だけでなく、学校や地域のコミュニティ、非営利団体などでも導入されています。また、スタートアップ企業との共同開発や大学や研究所による共同研究も、このワークショップに含まれます。

    方法3. フレームワーク

    新規事業のアイデア出しを加速させるためのフレームワークとして、今回は以下の3つをご紹介します。 

    • SCAMPER(スキャンパー)法
    • 5W1H6W3H
    • オズボーンのチェックリスト

    良いアイデアの発想は非常に困難です。また、誰しもアイデアがなかなか出ない時はあります。そのような場合に、ご紹介しているフレームワークをぜひ活用してみてください。

    アイデアをさらに展開していく「SCAMPER(スキャンパー)法」

    SCAMPER法は、アイデアをさまざまな形で展開していくことで、発想を助けるフレームワークです。このフレームワークの名称は、以下の頭文字で成り立っています。

    • Substitute(代用)
    • Combine(結合)
    • Adapt(適応・応用)
    • Modify(修正・変更)
    • Put to other uses(他の用途への転用)
    • Eliminate(削減・排除)
    • Reverse・Rearrange(逆転・再編成)

    これら7つの観点で既存の製品やサービスを見直し、改良するアイデアを生み出します。メリットとして、それぞれの要素に分解することで、既存商品のノウハウを活かした新事業開発を行える点が挙げられます。

    一方で、デメリットとして、ベースが既存製品になるため、イノベーションではなく、既存商品の改善アイデアに留まる可能性が考えられます。アイデアを出す際には、そのような事態にならないようにご注意ください。

    抽象的なものを具体的にする「6W3H

    抽象的なテーマや曖昧な情報をもとにアイデアを出す際によく用いられるフレームワークは、5W1Hです。ここではそれよりも項目が多い、6W3Hを挙げました。

    6W1Hの各項目と、そこに該当する情報】

    Why(なぜ) 現在の課題
    What(なにを) 課題・問題、潜在ニーズ
    Who(だれが) 自社の部門、参画するメンバー
    Whom(だれに) ターゲット(消費者、顧客、取引先)
    When(いつ) リリース時期
    Where(どこで) ターゲットとなる市場
    How(どのように) 新たな商品・サービス、新技術
    How many(どのくらい) 事業規模、予算
    How much(いくらで) 開発予算、提供価格

    3Hの部分は、アイデア発想に重要な「収益性」に関わる部分です。また、この6W3Hは、アイデア出しのほか、自社の課題の発見や事業計画の立案にも役立ちます。(参考:事業計画の考え方とは?社内稟議が通りやすくなる事業計画書の作成方法を徹底解説

    アイデアが出ない時の助けとなる「オズボーンのチェックリスト」

    「アイデアを考えること自体が難しい」という方におすすめのフレームワークが、オズボーンのチェックリストです。

    このフレームワークでは、以下の9つの項目に沿って、情報を整理することで、効率よくアイデアを出していくことができます。そのため、別名「チェックリスト法」とも呼ばれています。自社の保有する設備や技術、知見を当てはめてもよいですが、異なる領域のイノベーションや、最新のビジネス事例と自社のリソースを組み合せて当てはめていくことも可能です。

    【オズボーンのチェックリストの9項目】

    • 転用(Other uses
    • 適合・応用(Adapt
    • 変更(Modify
    • 拡大(Magnify
    • 縮小(Minify
    • 代用(Substitute
    • 再配置(Rearrange
    • 逆転(Reverse
    • 結合(Combine

    アイデア出しに詰まったときにこのオズボーンのチェックリストを活用すれば、「既存事業のどのような技術を活かせそうか」「他社事例を自社に置き換えて考えてみると何ができるのか」という目線で発想することができます。このフレームワークは新商品開発にも役立つため、ぜひ一度使ってみてください。

    方法4. 思考の転換

    思考の転換とは、既存の概念を異なる観点で見直す方法です。まったく異なるものを組み合わせたり、課題解決を基準にしたり、あえて保有している情報以外をもとにアイデアを出していくことで、これまで自社内に生まれなかったアイデアを発想できます。

    以下の表では、4つの思考法と、それぞれのアイデアの出し方をまとめています。

    思考法 アイデアへの転換方法
    フォースド・リレーションシップ(強制連関法) まったく関連性のない2つのものを強制的に関連づけていく
    アンチプロブレム(逆転思考) 課題と反対の解決策を考える
    シックス・ハット(水平思考) 6つの異なる色の帽子をかぶり、それぞれの視点からアイデアを出す
    バックキャスト(未来からの逆算) 未来のあるべき姿を設定し、それを実現する方法を考える

    これらの思考法は、「発想のインスピレーションを得たい」という方にもおすすめです。

    一見関係のないものを結びつけてみる「フォースド・リレーションシップ」

    フォースド・リレーションシップ(強制連関法)では、まず身近にあるものを列挙し、それを1つずつ取り上げて、別のものと関連づけていきます。強制的に組み合わせていくことで、情報だけでは思いつかない発想を生み出せる可能性があります。

    正反対の課題をもとにアイデアを生み出す「アンチ・プロブレム」

    アンチ・プロブレム(逆転思考)では、抱えている課題の解決策ではなく、正反対の課題を想定します。目線を逆にすることによって、本来の課題の解決策のヒントを見つけることが可能です。

    6つの役割に分かれて思考する「シックス・ハット」

    シックス・ハットでは、以下の6つの視点に分かれて考えることで、新たなアイデアを生み出すことが可能です。

    【シックス・ハットの帽子の色と役割】

    白い帽子 情報を収集する
    赤い帽子 感情や直感に基づく意見を出す
    黒い帽子 批判的な意見を出す
    黄色い帽子 可能性やメリットを考える
    緑の帽子 創造的なアイデアを出す
    青い帽子 全体を俯瞰し、整理する

    このように対象を多角的に捉える考え方は、ラテラルシンキング(水平思考)と呼ばれています。ロジカルシンキング(論理的思考)やクリティカルシンキング(批判的思考)とは異なり、さまざまな方向から自由に見ることによって、斬新なアイデアの誕生につなげられます。対象を分析するのではなく、気づいた点を直感的に挙げていくのがポイントです。

    未来の理想の姿から逆算する「バックキャスト」

    バックキャストは「バックキャスティング」あるいは「バックキャストアプローチ」とも呼ばれる思考法で、未来を起点に考えていく方法となります。そのため、特に将来の課題解決を可能とする事業を開発する際に有効です。

    まずは、5年、10年、それ以上先の未来を想像してください。さらに、その未来の理想の社会や自然環境などをイメージします。そして、それを達成するためには「どのようなことが必要か」という解決策まで考えます。

    チームで未来の理想像を共有し、それに対する解決策を出していくことで、新規性や解決性の高いアイデアを生み出すことが可能です。

    アイデア発想・整理で陥りがちな問題5つとその解決策

    新規事業に関するアイデアの発想・整理を行う際の注意点として、以下の問題を回避する必要があります。これら5つは、アイデア出しの段階で陥りやすい問題です。

    • アイデアが飛躍しすぎている
    • アイデアが類似している
    • アイデアが多すぎる
    • アイデアの評価基準が曖昧である
    • アイデアがワンパターンである

    それぞれの問題の原因と解決策について解説していきます。

    課題1. アイデアが飛躍的すぎている

    アイデアがあまりに斬新だと、ビジネスモデルとしての成立が不可能になってしまいます。前述のとおり、アイデア発想の最初の段階では、すべてのアイデアを受け入れることが重要ですが、その後はアイデアの実現可否についても検討していきましょう。

    【解決策】リソースを明確にしておく

    実現可能なアイデアを絞り込むために、技術や予算、人材のリソースなどを詳しく調査しておきましょう。また、アイデアをプロジェクトとして進めるために必要なスキルとツールも明確にします。

    アイデア出しの前には、どのようなテーマで発想していくのかを事前に共有しておくと、方向性が定まり、アイデアの飛躍を抑えられるでしょう。冒頭にご紹介した要素をテーマとして掲げるのもおすすめです。(参考:新規事業に求められる「有望な」アイデアの要素5

    課題2. アイデアが類似している

    アイデアが類似している場合、どのアイデアを選べばよいか、選択に迷うことがあります。

    【解決策】似ているアイデアを比較する

    類似するアイデアを比較し、どれが最も魅力的かを判断します。その際には、アイデアの特徴や目的、優先度、市場ニーズなどを検討する必要があります。

    また、出てくるアイデアが似通っている場合は、既存の市場や分野ではなく、異なる分野の事例から、アイデアの源を探してみてください。

    課題3. アイデアが多すぎる

    アイデアが多すぎると、選びきれないことがあります。ただし、20個から30個ぐらいであれば、以降のプロセスで絞り込めるため、無理に減らす必要はありません。

    【解決策】アイデアを整理し、グループ化する

    アイデアを絞り込むためには、まずグループ化してアイデアを整理します。その後、どのアイデアが特に重要か、実現できる可能性が高いか、費用対効果が高いかなどを考え、優先順位を付けていきます。

    アイデアを出し切った後、マインドマップを作成するのも有効な解決策です。発想のテーマを中心に、アイデアを枝分かれさせていくことで、自社の方針や目的との関連性、現在の優先度などを整理できるでしょう。

    課題4. アイデアの評価基準が曖昧になる

    アイデアの評価基準が定まっていない場合、良いアイデアを出せたとしても、どのアイデアが自社に最適かを選定するのは困難です。

    【解決策】事前に評価基準を作成し、共有しておく

    アイデアの評価基準を明確にしておきましょう。具体的には、アイデアが成功するための条件を定義し、さらに目標や優先順位、実現可能性、市場ニーズ、かけられる予算、ROI(投資利益率)などを考慮します。

    また、そのような評価基準をアイデア出しの前に参加者に共有し、認識を一致させておくことも重要です。

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    課題5. アイデアがワンパターンになる

    アイデア出しにおいて、発想がワンパターンになってしまうことは少なくありません。そして、ワンパターン化する原因の1つとして挙げられるのが、刺激の不十分さです。同じ環境で長く過ごしている、社内の社員のみで話し合っている場合、アイデアが似通ってくる傾向があります。

    【解決策】外部パートナーを活用する

    アイデアがワンパターンになる場合は、ブレインストーミングなどで他者とアイデアを共有し合うことをおすすめします。他には、環境を変えてみたり、異なる分野のアイデアを取り入れてみたりする方法も有効です。新しい刺激を受け、アイデアを拡張できるでしょう。

    また、他者として、外部人材を取り入れるのも1つの方法です。異なる領域の知見が豊富な人材を招くことで、革新的なアイデアの創出も期待できます。

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    【参考】外部パートナー活用のポイント

    アイデア発想がうまくいかないことは少なくありません。例えば、アイデアが出てこないというお悩み以外にも、将来性のある市場がどこか把握できておらず、適切なアイデアが出せないという場合もあります。そのような場合の解決策が、外部パートナーの活用です。

    新規事業開発に携わった経験のある社外の人材などに、アイデア発想に参加してもらうことで、自社にはない視点のアイデアを得られるでしょう。特に自社内に新規事業開発に関する知見がない場合、アイデアを出すことができても、実現性が低く、事業の開発に至らないこともあります。また、非常に斬新なアイデアであっても、市場の実態への知識が十分でなければ、良いアイデアを出すのは困難です。

    また、ハイスキルな人材を活用すれば、市場調査から良質なアイデアの提案までを、一貫して依頼することも可能です。市場調査も、非常に時間とコストがかかるプロセスです。仮に、自社で調査を行い、分析し、新しいビジネスのアイデアを出そうとすると、予算もコストもかかります。

    一方で、外部パートナーを活用すれば、時間やコストを確保しつつ、自社にない知見を得ることができます。現状を打破し、イノベーションを起こしたいと考えている企業の方は、ぜひ外部パートナーの活用を検討してみてください。

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    外部パートナーを選ぶ際のポイント

    新規事業開発のアイデア発想で外部パートナーを選定する際には、対応可能な範囲が広い方、あるいはスタートアップやベンチャーなどの未確定事項が多い業務に携わった経験のある方へ依頼することをおすすめします。人材によっては、社員や顧客の意見をヒアリングした上で、最適なアイデアを提案してくれる場合もあります。

    実は外部パートナーと一言でいっても、対応可能な範囲は人材、あるいはコミュニティによってさまざまです。しかしながら、新規事業開発においては不確定なことも多く、事前にどのような業務があるのかを先に洗い出すには限界があります。

    そのため、柔軟な対応が可能な外部パートナーや、そのような人材をマッチング可能なプラットフォームの活用が、新規事業開発時には有効です。特に、社内の人材不足が深刻な場合は、アイデアを少し出してもらうより、アイデア出しの前後まで支援してくれる人材のほうが活用するメリットは大きくなります。予算を踏まえながら、自社に合う活用方法をぜひ検討してみてください。

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    まとめ

    新規事業開発におけるアイデア出しは、その後のビジネスの成否を左右する重要なプロセスです。しかし、自社内でいきなりアイデアを出そうとしても、既存事業に関連したアイデアに偏りがちです。

    そのような場合は、本記事で紹介したブレインストーミング、ワークショップ、フレームワークなどの方法を活用してみてください。伝統的な手法や、発想の型を使うことで、将来的な市場ニーズを捉えたアイデアを生み出すことが可能です。また、より実現性の高いアイデアで、新たなビジネスモデルの種を獲得するためには、外部パートナーの活用もおすすめします。自社にはない知見を第三者から得ることで、アイデアの幅を広げられるでしょう。

    なお、そのようなアイデアは新規性やトレンド性、収益性、そして消費者の抱える悩みを解決できるようなものでなくてはなりません。アイデア発想がうまくいかない場合は、異なる分野のイノベーションの事例を、発想の種として、ぜひ観察してみてください。

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    また、当社ではアイデア発想のご相談もお受けしています。こちらからお気軽にお問い合わせください。

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    この記事を書いた人

    吉冨 剛典 吉冨 剛典 マーケティング担当

    大手企業・ベンチャー企業にて事業開発を10年以上経験。
    市場動向に即したビジネススキームの構築に強み。
    PoC推進支援、事業計画の策定など新サービス / ブランドの立ち上げ実績多数。

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